内容説明
〈「もう、リベラルはうんざりだ」?〉
極右に惹かれる若者たち、移民を不安視する労働者たち、敵視される団塊世代、そして高まるEUへの不信感……。
近年、欧州で広がる「反リベラリズム」感情の底流には、一体何があるのか?
EU本部の置かれるベルギー・ブリュッセルに赴任した著者が、揺れる欧州の現場に取材し、不安の根源に迫る、渾身のルポルタージュ!
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【目次】
■プロローグ……リベラリズムの行方
■第1章…………若者 vs. 団塊世代?──敵視されるリベラル
■第2章…………移民とグローバリゼーション──広がる経済不安
■第3章…………緊縮がもたらした分断──リベラル・パラドックス
■第4章…………ブレグジットの背後にあるもの──取り残された人々の怒り
■第5章…………ポルトガルの奇跡──「反リベラルのメロディー」を越えて
■第6章…………新型コロナとインフレ──問われるリベラリズム
■エピローグ……未来へと一歩を踏み出す
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
58
近年欧州で顕著になっている右派の躍進。それを反リベラリズムと捉え、右派団体のリーダーから過去のEUのリーダーまでのインタビューから構成された一冊。分析ではなく取材が中心。親リベラル反緊縮の立場から書かれており、移民や経済問題が中心に扱われている。でも最近のリベラルの動きを見ていると、その一面も強いのだけどあくまでそれは一面に過ぎないんだよなあ。先ののアメリカ大統領選でトランプが勝った時のリベラルの発言からもわかるように、庶民と遊離している部分も強そうだけど。本書も一部ではそこに触れてはいるのだけれども…。2024/12/07
buuupuuu
22
欧州で排外主義的な主張を掲げる団体や政治家達が勢力を拡大させている。その背景にはリベラルが庶民の利害を代表しなくなってしまったという事情があるのではないかという。英仏独のリベラル政権は「第三の道」のような新自由主義路線を推し進め、その結果、庶民の生活は不安定になってしまった。リベラルな価値観を体現すると見られるEUは、リーマンショック後、南欧諸国に緊縮策を押し付けたが、これは南欧側からは仏独等の債権国の利益を守るためのものと見られた。EUに背いて反緊縮路線へ舵を切ったポルトガルの事情も取り上げられている。2023/10/28
ロア
18
朝日新聞の方が書かれてるので、鵜呑みにしないように注意しながら読みました(*´ω`*)「リベラルであるのが良き事」と遠回しに言ってますよね?保守=右翼=ヤバイやつって思わせるように、誘導するような表現をちょいちょいしてますよね?自分の国と国民を大切に思うことは大事だと思うし、それが出来てなくて、多様性が~とか移民かわいそ~とか言う人たちは、甘いというか平和ボケしてるというか・・・私的にはどうかと思うのです。2023/11/13
禄
16
欧州に拡がる反リベラリズムの動きの源泉を朝日新聞のブリュッセル特派員であった著者が当事者たちへの取材を通して探る。そこにあるのは若者や真面目に働いても生活ができない人々の不満や不安。格差是正は一行に進まず、リーマンショック後にはより緊縮政策が進められることへの苛立ち。マクロな視点での経済成長も、ミクロな視点での生活者の実感は伴わない。EUの理念とは隔たる反移民や自国第一主義といった言説にも、それを支持する人たちの追い詰められた事情はある。難しい。2024/09/08
ののまる
9
経済分野に疎いので、理解できたかどうかなんだけど、エピローグの日本の状況を読むに、未来が暗澹たる様子… 国債の額がすごすぎて。どこに活路があるのか。2024/09/29
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