内容説明
女子大学院生が自宅の浴室で死亡しているのが発見された。警察は自殺と判断したが、その裏には人間も機械と同様、適切な入力(情報)を与えれば、思い通りの出力(行動)をすると主張する謎の男・鬼界の存在が。他人を意のままに操る鬼界の目的とは何なのか? そして、人間は本当に機械と同様、自在に制御することが可能なのか? 第42回小説推理新人賞最終選考で選考委員から高く評価された若き才能によるデビュー連作短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おうつき
18
シリーズ物と知らず二作目を先に読んでしまっていたのだが、そのおかげで「鬼界」という人物の特性をある程度理解した上で読み進めることができた。今作から順番通りに読んでいたらきっと頭がこんがらがっていたと思う。人間に「入力」を行うことで機械のように操作することを目論む男が裏で暗躍する犯罪の数々を描いた連作短編。一話目にして表題作の「可制御の殺人」は正直ピンとこなかったが、二話目以降は徐々に作品世界に没頭できた。機械工学、ロボットを利用したトリックはややイメージし辛い部分もあるが、独特の読み心地の面白さがある。2024/06/06
花嵐
9
★★★☆☆ 初読み作家さん。連作短編集。帯に「令和最強の怪人、現る!」と書かれていたのでもっと不気味なのを想像していたんだが、やっていることのスケールは別として思っていたよりも人間社会のことを考えているんだなぁとは思った。理系ミステリなので飛び交う用語もそちらの言葉が多いが文中で説明してくれるし、あくまで象徴という感じで使われるのでそこまで難しくない。作中で説明された鬼界システムについては予想通りだったので驚きはなかったが、純粋にミステリとして伏線の貼り方が上手いと感じられた。2023/08/18
ペカソ・チャルマンチャイ
7
先に続編の「観測者の殺人」を読んでいたので前日譚みたいになってしまったけど、特に問題はなかったと思います。この時点では鬼界はまだ自ら積極的に殺人を起こそうとはしていなかったのだな。鬼界のやろうとしていることは不可能だとは思うけど、常人では計り知れない特殊な能力をもっているのは事実。彼にまともな正義感や倫理観があれば、凄く社会に貢献できる人であっただろうに、残念です。希少な理系、そして若い作者に今後も多いに期待します。2025/07/13
TAMA
5
2025年9冊目。2025/02/28
蝸牛
4
うっかり2作目から読んでしまったので、探して買いました。在庫あってよかった。 観測者の殺人ではよくわからなかった、一真と鬼界の関係性というか因縁が理解できていろいろ繋がりました。せっかくだから、このままシリーズ化してほしいなぁ。2025/03/29
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