内容説明
女子大学院生が自宅の浴室で死亡しているのが発見された。警察は自殺と判断したが、その裏には人間も機械と同様、適切な入力(情報)を与えれば、思い通りの出力(行動)をすると主張する謎の男・鬼界の存在が。他人を意のままに操る鬼界の目的とは何なのか? そして、人間は本当に機械と同様、自在に制御することが可能なのか? 第42回小説推理新人賞最終選考で選考委員から高く評価された若き才能によるデビュー連作短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
花嵐
8
★★★☆☆ 初読み作家さん。連作短編集。帯に「令和最強の怪人、現る!」と書かれていたのでもっと不気味なのを想像していたんだが、やっていることのスケールは別として思っていたよりも人間社会のことを考えているんだなぁとは思った。理系ミステリなので飛び交う用語もそちらの言葉が多いが文中で説明してくれるし、あくまで象徴という感じで使われるのでそこまで難しくない。作中で説明された鬼界システムについては予想通りだったので驚きはなかったが、純粋にミステリとして伏線の貼り方が上手いと感じられた。2023/08/18
MNRLAY
1
何の関連もないように見える短編が最後に繋がって・・・という感じかと想像していたが、もう少し分かり易く繋がりのある各人物の視点から語られる1本の長編という印象。鬼界システムの全容が理論立てて解明できる日が人類が新たなステージに進むことのできる瞬間になるんだろうなあと思ったり。それは100年後か、200年後か。2023/09/03
栫
1
鬼界がどんどん他人の意を操って殺人を起こしていく話かと思ったら違った。 いくつかの話で1冊ができてるんだけど、それが1つに繋がっている。で、結局鬼界は何がしていきたいのか?を再度あかして終わる。 言わんとすることはなんとなく分かるけど...って感じ。 「殺人」っていう題名にイメージ持っていかれて、読み始めて2本目の話で、こういう話なの?ってなったのが本音かな。 続きが出そうな感じだし、人気出ればシリーズになりそう。2023/08/15