内容説明
日常世界はどのように構成されているのか。日々変化する現代社会をどう読み解くべきか。――本書は、碩学と若手の二人の社会学者が、そのような根源的な問いに正面から挑んだ作品である。読者は、本書を通じて、社会学の基礎的な概念を学ぶとともに、現代社会学の最前線の議論を知ることができる。読者がうながされるのは、“社会学的思考”の実践である。それは、わたしたちの生の多様性と可能性について、開かれた姿勢をとることにほかならない。定評ある教科書の第2版新訳。文庫オリジナル。
目次
凡例/ティム・メイによる第2版序文/序章 社会学とは何か/第1章 自由と依存/第2章 わたしたちとかれら/第3章 コミュニティと組織/第4章 権力と選択/第5章 贈与と交換/第6章 身体の諸相/第7章 秩序と混乱/第8章 自然と文化/第9章 テクノロジーとライフスタイル/第10章 社会学的思考/訳者あとがき/推薦図書/索引
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
51
2001年初出。社会学は、訓練された活動。その歴史を通じて蓄積されてきた大きな知識体系(013頁)。社会学的思考は、常識と関係が深い(022頁)。本書の特徴:日常生活を特徴づける問題に従って構成。日常経験を直接特徴づける事柄に関する社会学入門書(038頁)。要約:かれらがいる限り、わたしたち。わたしたちとかれらは、相互に対立する限り、ともに意味をなす(081頁)。文化資本は、わたしたちが所有し、行為に際して利用できる技能や知識(135頁)。2016/10/09
アナクマ
28
わたしには難しい本だろうと思えどそこはそれ、かたいパンは美味い(だろう)ってやつで。◉3章_コミュニティは、メンバーが身も心も属する集団。組織は、人々を部分的に吸収する。参画する人は役割を受け入れて職務に専念する。◉6章_身体の諸相。「人々は自分の居場所をもつことを願っているがそれは何を意味しているのか」「他者を外に出し…連中から解放され…何が残るのか」→つまるところ「他者を通じて自分自身のことを知るということ」。で、その先に健康の対概念としてフィットネスが出てくる。そういえば fitnessって何?2022/11/23
Akihiro Nishio
27
自分のやっている仕事は、もはや医学ではなく社会学なのではないだろうかと思い、考え方を学ぶことに。しかし、本書は社会の問題に対する学術的なアプローチの指南書というより、理論面が中心であった。フィールドワーカーとしては期待外れだが、それはそれとして興味深く読める。個人と他者、コミュニティと組織、権力や身体、差別、テクノロジーなど、少しずつ枠を広げながら、社会に潜む力学を詳細に解説してくれる。社会学的実践をしている人が、時に自らの実践を社会学的考え方に振り返るには良いと思うが、入門書にはならないんじゃないかな。2017/09/24
はすのこ
8
これは良書です。2017/02/12
ゆい
6
めっっちゃ楽しい!!!物さしを作る学問。最近、ラブ…ハピネス…みたいな小説よりもこういう私にとって未知の学問について広く薄く知ることが一番読書の醍醐味だと思うように変化した気がする。ジャケ借りしたのだけど調べてみると社会学入門書として結構高名のようで。あたった喜び。2018/11/09
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