ちくま新書<br> 民間企業からの震災復興 ――関東大震災を経済視点で読みなおす

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ちくま新書
民間企業からの震災復興 ――関東大震災を経済視点で読みなおす

  • 著者名:木村昌人【著者】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 筑摩書房(2023/08発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480075727

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内容説明

富国強兵と殖産興業が一段落、新興帝国日本が漂流し始めた大正時代に、大災害が首都を襲った。本書は、経済活動の担い手である実業家・企業・財界の視点と活動に注目し、大震災からの復興過程を考察する。彼らが大震災に対してどのような復興構想を持ち、どこまで実現したのか。それは近代化を目指した日本社会や日本を取り巻く国際社会にどのような影響を与えたのか。植民地を含む当時の日本帝国全体の経済地図を塗り替える、もう一つの近現代史を浮き彫りにする。

目次

プロローグ──一〇〇年前と一〇〇年後/復興か改造か──二〇世紀日本の出発/(1)民間企業家と財界の対応/(2)東京以外の国内地域から見た関東大震災/(3)海外の反応/第一章 変貌する「帝都」/地震発生と錯綜する情報/「知らしむべからずよらしむべし」/幻の遷都論/東京商業会議所の対応/渋沢栄一の対応/火災保険の支払い/人口動向と復興需要の高まり/企業活動への影響/「徳川時代の軍都」から「国際商業都市」へ/精神の復興──徳のある社会を目指して/第二章 生糸輸出をめぐる横浜と神戸の攻防/生糸貿易と横浜/想像を絶する震災被害/東京築港問題/京浜運河の開削/浅野総一郎と京浜運河開削/日本の生糸産業史/横浜の対応/神戸の対応/横浜と神戸の駆け引き/揺れ動く政府の立場/横浜復興対策/震災手形救済問題/神戸の状況/神戸の企業の支援活動/ユーハイムの神戸への移転/横浜から神戸への華僑の移動/震災が横浜と神戸におよぼした影響/第三章 東洋一の経済圏をめざして──「大大阪」時代/商都大阪の歴史/大阪財界の対応/株式市場の反応/住友銀行の東京進出/安宅産業の対応/吉本興業の活躍/コクヨの東京進出/武田薬品の東京進出/生命保険業界の危機/被災者に対する火災保険の支払い/関西系生命保険会社の抵抗/事態の急展開と政府案による東西妥協の成立/震災手形問題/対中貿易の拡大を目指して/「大大阪」時代の到来と幻の「加古川遷都」/第四章 地方経済界の驚くべき対応/地方は関東大震災をどう見たか/なぜ商業会議所に注目するのか/東京・横浜以外の被災地の動向/小田原市──交通網の整備へ/郊外化の進展と私鉄の路線拡大/八王子市──「日本のシルクロード」を復興する/千葉県──銀行再編の加速/ⅸ油ものがたり/栃木県宇都宮市──避難民の受け皿となる/埼玉県──東部以外はほとんど被害なし/山梨県──産業成長中の被災/静岡県──通信網強化の要請/北海道──輸送交通の整備/秋田県──復興資材の木材の供給源に/東海地方──港、師団の町として/新潟、高岡、金沢──日本海側の要となる/中国地方──大陸との要衝/地方への財政支援は帝都復興とは切り離せ/四国地方──地元商業会議所の活躍/福岡県──放送局誘致合戦の行方/鹿児島県──迅速な情報収集とリーダーシップ/朝鮮──財界の形成/第五章 進出するアメリカ/世界を駆け巡る震災情報/大地震と日米関係/米国のすばやい対応/自動車産業、材木業で米国企業の進出/予期せぬ中国との関係改善への動き/中国経済界の支援活動/国内華商への影響/ソ連からの救援物資への対応/外国人から見た関東大震災/日本の情報空間の問題点/今日の情報活動への教訓/エピローグ──経済地図はどう変わったか/首都としての東京の定着/限定的であった経済損害と新たな経済成長に向かって/一〇〇年後の経済地図への示唆/あとがき/主要参考資料・文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

うえぽん

24
元銀行員から教授、財団職員等の経歴を持つ筆者が、主に社史、商工会議所史等の史料を基に、関東大震災後の企業、財界、外国の動きをまとめた本。加古川等への遷都論、横浜・神戸の生糸輸出港としての攻防、米国企業の進出などのいくつかの例外を除いて、構造的な分析よりも、個々の企業家等の動きに着目しているため、やや議論にまとまりがない印象がある。エピローグの100年後への示唆の部分(遷都含めた構造改革、内外の信頼ネットワーク、経済界の公益増進への取組)は、考え自体は否定しないが、分権派の読者から見ても論理の飛躍を感じる。2023/10/29

takao

3
ふむ2024/05/15

rista99

0
1923/9/1に発生した未曾有の大災害・関東大震災における経済復興の歩みを、実業家や企業、商工会議所といった当時の経済界の対応に焦点を当てて掘り起こした研究書。東京市壊滅を受け遷都論が全国で浮上するも、政府が「首都東京」復興の方針を打ち出したため、東京の地位は震災前より強固になったこと、生糸輸出の国際貿易港で横浜一強だった状況が横浜港壊滅で一変し、神戸・横浜2港制が確立するとともに、海外貿易額も神戸港が全国一となり不動の地位を確立したことなど、震災が政治・経済に与えた影響の大きさを改めて思い知らされた。2024/09/05

朔ママ

0
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️2023/11/28

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