内容説明
太宰治賞作家が描く大人の恋愛群像劇。
人生経験を積んだ大人でも、恋愛だけは不器用なまま。太宰治賞受賞作家・錦見映理子が大人たちの恋愛模様を鮮やかに紡ぎ出す。
不倫の恋に破れ、勤めていた会社を辞めた元OL・万里絵は、知らない町で夢だった喫茶店を開き、ここで穏やかに暮らしていこうと決心する。そんな矢先、店に奇妙な男が現れ、サンドイッチに難癖をつけてきた。その男・虎之介は、商店街の一角にできたパン屋のパン職人。高い技術を誇り職人気質な男だが、こと女に関してはだらしがない。二度と恋はしないと誓った万里絵、夫に先立たれ久方ぶりの恋心に戸惑う早苗、夫の浮気を許し続ける伊都子。虎之介に翻弄された女たちの人生に予想外の転機が訪れる。太宰治賞作家が描く大人の恋愛群像劇。解説は中江有里さん。
Apple Books限定先行配信・有料小説ランキング1位、ブクログデイリーランキング1位、第2回「書店員が選ぶ大人の恋愛小説大賞」ノミネート、朝日新聞、日本経済新聞、NHKでも紹介された話題の小説が待望の文庫化。
※この作品は単行本版『恋愛の発酵と腐敗について』として配信されていた作品の文庫本版です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
468
【版元さまより献本】読みたかったこちら、手に入った!いわゆる「ひりつかない」不倫恋愛小説。誰も悩んでないし、傷ついてない(ような気がする)。こんなに女性を夢中にさせる虎之介にわたしも出会ってみたい。万里絵には三上さんと幸せになって欲しい・・・が。恋愛ってケミカルだもんね。それが作動しないと難しい(笑)2024/02/16
おしゃべりメガネ
127
太宰治賞受賞作家さんによる、ちょっとひねくれた恋愛小説です。20歳上の上司との四年に渡る不倫に終止符をうち、OLを辞め見知らぬ町で喫茶店を開いた「万里絵」。そんな彼女のもとに少し変わったパン職人「虎之介」が現れますが、女性関係にいささか問題ありとのこと。一方で、夫に先立たれた40過ぎのスーパーのレジうちパート「早苗」には久方ぶりに燃えるような恋の予感が訪れます。夫の度重なる浮気を黙認し続けるスナックの謎のママ「伊都子」も登場し、事態は思わぬ方向へ。不倫がベースの話ながら、どろどろしてないトコがスゴいです。2024/03/30
olive
41
ざっくり語ると、天然たらし男に関係した女たちが最後はシスターフッドを結ぶ物語!?その過程は、妻ありの天然たらし男にハマってしまうのだから、悪い油で揚げたとんかつを食べて胸やけし、変なゲップが出るくどい味の昼ドラを想像するが、そうではなく、本書は、酸っぱいツーンとした酵母の香りがする。そう意外と爽やかな読了だったのよ♡なぜかって...。発酵と腐敗は紙一重だから。その微妙な描写が読みどころ。2023/10/25
遙
19
面白くてあっという間に読み終えてしまった。中盤までの泥沼からまさかの・・・意外な結末でしたが 嫌いじゃなかったですね。 女達の心中を掻き乱す、不思議な魅力のある虎之介、とんでもない男ですね。女の子に近づく動機はどうであれ、痛い目見て欲しいです。 そして三上さんには幸せになって欲しい・・・。 [許す事]これ即ち、苦しい恋愛を乗り越える秘訣だと教わった気がしました。恋敵が[良い人]であったらできることかもですが笑2023/08/16
あや
16
女にだらしない虎之介を巡る三人の女性。世代も正確も違う。一人は紅茶専門店を経営し、一人はレジパート、一人はスナックのママ。物語の構成が上手いのと、先が読みたくなるお話ですらすら読めた。2022年単行本刊行。2023年文庫化。文庫の解説は中江江里さん。作者の錦見映理子さんは歌人でもある。作中に食べ物が頻出するが、食べ物のセレクトが良くて、どれも美味しそうで、食いしん坊の私にはとても面白かった。2026/01/04




