内容説明
地理的視点で世界を眺めると浮かび上がる
ニュースでは報じられない世界各国の思惑、世界情勢の現在と未来とは?
本書では、宗教・民族・経済・政治など、
現代史のトピックを地理的視点で読み解いていきます。
※カバー画像が異なる場合があります。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roatsu
16
必要十分な記述で「事実を積み重ねて景観を掴む」地理学の視点から我が国を含む世界の現代史を捉え直した良い本だと思う。冒頭で狭義の”地政学”との相違を述べておりその通りとは思う。けれども各章を読み進むにつけ、地理という科学的・客観的思考法は残念ながら戦争(軍事衝突に限らないのは言うまでもない)を含めた国家民族間の利益衡量から無縁どころか密接不可分だなとも思う。科学や法律等しかり所詮これを行使する人間の恣意から逃れて象牙の塔として独立はできない。本書で紐解かれる世界の要衝、紛争地域、資源地帯を抱える国々でその内2023/08/31
よしよしニャンコ
5
各国の外交やら戦争の動機は、まぁ概ね、資源を融通してもらうか奪いにいくかというあたりに集約されるんだなぁと、改めて思った。海外にカネをばらまくくらいなら日本国民に使え、といいたくなるときもあるけど、よくよく他の国の野望を紐解いてみると、海外の国に味方を増やしておかなければ結局今後困るのは日本国民であるとわかる。日本の内向きのニュースばかり見ていると、そういうこともわからなくなるよね。たまにはこういう世界を俯瞰した書籍に触れないとね。それにしても、中国とイギリスは本当にろくでもないな。2024/10/07
ぴんぐ
5
歴史的事実より地理的条件に重きを置いて、今の世界情勢の成り立ちなどをわかりやすく解説してあります。 中国や東ヨーロッパ、アラブ、アフリカの課題をざっくり把握するにはちょうどよい内容です。 著者は、地政学は戦争利用のために生み出された概念であると述べてますが、この本で紹介されているのは、まさに現代史における国々の興亡であり、個人的には地政学との違いがわかりませんでした。 地理から読み解くといっても、地形だけでなく、民族、宗教、気候、特産品などが複雑に絡み合って、現在の事象となっているということだと思います。2023/11/06
ナオト
3
中国と台湾の問題、ウクライナ戦争などの現代的問題を地理をベースにして解説する良書。歴史は解釈を用いるが地理学は事実をベースにするという筆者の言葉通り、全てのトピックスに関して中立的な観点から解説されている。2024/06/30
さえぴ
2
要衝になる国、紛争に巻き込まれる国、地理によって歴史が動いてきた理由がわかるという本。難しいところもあったけど分かりやすくて勉強になった。日本は島国であるが故に助かってきた部分がたくさんあるかも。2024/02/26