内容説明
ジェイムズ・ジョイス『ユリシーズ』の出版者として名高いパリのオデオン街の小さな書店の女主人・シルヴィア・ビーチが綴る20世紀文学の舞台裏。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
104
戦間期にパリに生まれたアメリカ女性が経営する米英作品を扱う書店。『ユリシーズ』刊行の話などは興味深い。1920年代と言えば、フィッツジェラルドもヘミングウェイもパリに来ていた。ピカソも。文化の担い手が集まることでこの書店とも化学反応を起こしていたのだろうか。作者のかなり自信たっぷりな文章が些か鼻につかなくもない。2024/02/19
うた
11
ジェイムズ・ジョイス、ユリシーズとともに語られることが多いシェイクスピア・アンド・カンパニー書店。そもそもパリの書店で、何故アイルランドの難解な英語で知られる『ユリシーズ』が、アメリカ人が運営する書店から出版されることになったのか。その顛末やその後、一次大戦後に文学サロンとなった書店での交友はとても興味深いものだ。控えめながらも作品には一切妥協しないジョイス、繊細さを残したヘミングウェイ、ジイド、ヴァレリー、フィッツジェラルド。長く絶版になっていた本書だが、本好きな方に手に取っていただきたい一冊だ。2023/03/20
まこ
4
人が人を呼び、当時から有名だった作家もふらりと訪れる。シェイクスピアアンドカンパニイ書店での日々、特にジョイスと彼の作品ユリシーズとは深く関わり本作でも中心の一つとなっている。2023/10/04