内容説明
「別れ」は止められないけれど、止まった「想い」は動かせる。
閉園をむかえる遊園地を訪れた人々。
彼らの「さよなら」が繋がったとき、心に染みる奇跡が起こる!
閉園が決まった遊園地・星が丘ハイランドパークの最後の一日。訪れるのは、淡い思いを秘める中学生に、離れて暮らす息子と遊びにきた父親、認知症の妻をかかえた老人と、ワケありな人ばかり。営業終了時間が迫る中、なんの縁もない彼らの人生が交錯するとき、小さな奇跡が巻き起こる! 心温まる傑作群像劇。(単行本『廃園日和』を改題。)
~~~ ようこそ、星が丘ハイランドへ! ~~~
ジェットコースター
少年は淡い思いを胸に、苦手なコースターへ。
ゴーカート
久しぶりに会った息子は大人びていて――。
コーヒーカップ
遠距離恋愛の彼氏は、アタシのことをどう思ってる?
ヒーローショー
20年ぶりに1日限定で出演するはめになったけど……。
メリーゴーランド
認知症の妻は、この光景を覚えていてくれるのか。
観覧車
家族のいる人との恋。このままでいいわけない――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さくら★もち
30
廃園になる遊園地に訪れた人々がかけがえのないひとときを過ごす物語。遊園地最後の日のもの寂しさと、言えない気持ちがある男女や家族の微妙な関係のもどかしさが絡み合って切なかった。ずっと変わらないものなんてない。隣にいるあの人とも、そこに在り続けると思ってた場所ともいつか別れの時が訪れるのだろう。でも、一緒に過ごした時間に抱いた気持ちや思い出はずっと心に残り続ける。いつかまた思い出した時、あの時は幸せだったな、悲しかったな、嬉しかったなって振り返れるよう、大切な人と過ごす時間をもっと大切にしたいと強く思った。2023/10/07
タルシル📖ヨムノスキー
20
30年間営業を続け閉園が決まった地方の遊園地の最終日の物語。遊園地を訪れたのはジェットコースターがトラウマな男子を含めた中学生4人組。月に一度の面会日の父と子。遠距離恋愛中のカップル。昔遊園地でスーツアクターのバイトをしていたオジサン。奥さんが認知症の老夫婦。そして不倫中のカップル。そしてそれを迎える従業員たち。遊園地じゃなくても例えば学生時代ずっと通っていたラーメン屋とか、お酒の味を教えてくれたバーとか、新婚の頃に住んでいたアパートとか、思い出深い場所がなくなってしまうのは何だか寂しい(すべて実体験)。2025/06/29
はっち
17
中学生のダブルデートに妻に引き取られた息子との面会の場になったりでしたが最後の繋がりがちょっとびっくり ほろ苦な別れになってもさよなら またね といえたら次に進めるかな? 遊園地や老舗デパートの最後の日の1日というありがち設定でしたが楽しめました またどこかでお会いできれば・・・いいですね2024/02/25
赤青の朝
8
行成薫さん作品2冊目。表紙に惹かれることなんて基本無いのですが、何故か猛烈に惹かれて読んでみました。ハートフルな作品は読むスピードが落ちがちですが、割とスラスラ読めました。思いがけない繋がりがあったり、ウルッとしたり、良い読書時間でした。2024/08/08
たっきー
8
『廃園日和』改題文庫化。遊園地・星が丘ハイランドパークの最後の1日を舞台とした連作短編集。スタッフ側にもお客さん側にもいろいろな思い出があり、実際の遊園地が閉まるときにもそれぞれのストーリーがあるんだろうなと思いながら読んだ。大きな事件はなく、ひとつひとつのストーリーが大きすぎないところが良かった。2023/11/21
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