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内容説明
小学5年生の秋は、友だちのモッチの家へ遊びに行った時、大切なレコードをモッチの弟に傷つけられてしまった。秋は、弟を止めなかったモッチが悪いと思うようになる。そして、モッチは自分の考えをはっきりと言えないところも、前から良くないと思っていた。秋は、モッチへのいじわるな気持ちが広がっていくのを止めることができなかった。モッチは、レコードのことで怒っている秋ちゃんをずっと気にしていた。もう自分のことを許してくれないかもしれないと思っていた。秋ちゃんに「レコードを傷つけてごめんなさい」という手紙を書きながら、前に秋ちゃんからもらった手紙のことを思い出した。秋ちゃんは、「友だちになって」という手紙をくれたのに、モッチは短い返事を書いた手紙を、結局渡せずにいた……。ささいな出来事をきっかけに離れていくふたりが、再び心を通わせるまでを描いた物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海(カイ)
15
【図書館・新刊棚】ささいな出来事をきっかけに離れていく秋とモッチ。再び心を通わせるまでを描いている物語。章ごとに文字が変わり、それぞれの目線で書かれている。こういう作品好きです。2021/02/15
風香
13
友達関係は、子どもの生活の全てを占めていると言っても過言ではない。友達と喧嘩したり、言いたいことが伝えられなかったり、悪意に晒されると相当落ち込む。子どもは子どもで大変なのだ。 性格は違うけれど、紆余曲折を経てお互いに認め合う秋とモッチの関係が良い。時間をかけて自分の気持ちを丁寧に綴る手紙は、今の時代だからこそひとつのツールとして使いたくなる。秋の父親である道夫くんとの関係はユニークで、物語のアクセントとなり、家族の多様性を示している。(主人公は5年生。中学年くらいから)2022/04/17
おはなし会 芽ぶっく
11
『おすすめ!日本の子どもの本 2022』JBBY選 で紹介されている読みもの。 小5の女の子、秋は両親が離婚して母と二人暮らしだが、家族の関係は悪くない。友だちのモッチは家族と1軒の家に住む女の子。二人の視点から交互に話が進み、お互いのすれ違いが溶けていく…。2023/05/02
柊子
9
子供の頃から、友達と仲直りする、という経験がない。喧嘩をしたことがないので。相手の気持ちを考えて、自分も反省して、それで友達関係がもっと深まっていく……なんだかいいなと思った。孫もいる歳になって、そう思うのは、いささか遅すぎるか(笑2024/04/16
はなびや
9
秋がモッチにレコードについての批判をする場面がヒリヒリして心が痛かった。読んでいると、小学生の時の気持ちが蘇ってくる気がして、こんな風に小学生気持ちを描ける岩瀬さんはすごいなと思った。すぐに言い返せないモッチみたいな子は、その場でうまく切り返しができない分、充分に考えているのだと思う。2021/07/09