内容説明
歌舞伎町で商いをしていた著者は、2020年以降コロナウイルスの蔓延により、経営が立ちゆかなくなっていた。金策に駆けずり回るも、先が見通せない。信じていた人からの裏切りもあった。人生ではじめて土下座もした。クタクタに疲れていた。「もう死んじゃおうかな…」と思いながら、いつものように歌舞伎町の一角にある駐車場まで歩いて行くと、薄汚れた白い猫に出会う。「お前もひとりなのか…?」。ひとりぼっちでボロボロで、泥水をすすって生きている。そんな猫が自分と重なって…放っておけなくてご飯を買いに走った。猫には食べづらい缶詰。それでも夢中で食べる姿を見て「お前だって楽しくないだろう。昨日も、今日も、明日もつまんないのに、でも食べるんだな…」。生きるってそういうことなのかもしれない。「明日もここで会おうな」。この日から、猫に会うことが彼の生きる理由になった。猫は自分の名前の一部をとって「たにゃ」と名づけた。たにゃのことを考えている時間は穏やかで、日々の辛さを忘れさせてくれた。そして1年が過ぎ、たにゃと彼の過ごしている駐車場が取り壊されるという知らせが!そして、1匹と1人のおじさんに奇跡が起きる――。Twitterで話題!歌舞伎町に生きる野良猫とおじさんの泣けるフォトエッセイ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
旅するランナー
173
新宿歌舞伎町の駐車場に現れる薄汚れた白い野良猫と著者の関係性が微笑ましい。毎日欠かさずエサを与えるけど、猫が全く懐かない2年半をツイートしたものが本になってます。歌舞伎町でひとり生き抜いてきた、たにゃの鋭い目付きが語りかける世間の厳しさ。そこに生まれる、なんとはなしの信頼関係。弱さを知ると優しい世界が見えてきたにゃ。2025/05/25
starbro
148
表紙写真とタイトルに魅かれて読みました。 やっぱり歌舞伎町野良猫時代(任侠猫)と保護猫の現在(寛いだ貌)だと表情が違うにゃあ(=^・^=) 全身白猫だと思っていたら、しっぽは、白黒の縞々でした😻 https://tennenseikatsu.jp/_ct/176445292023/08/05
たまきら
47
隈取のような目、ぼさぼさの毛並み。歌舞伎町で外猫として暮らす猫に自分を重ね、面倒を見てきた著者が、ついに保護し家猫にするまでの写真エッセイです。外の子を室内飼いにするのって、悩みも多いかもしれません。でも、安心して寝て、おなかいっぱい食べて、健康で過ごせるのって大切。たにゃさんの表情が変わる様子が愛しかったです。2023/09/24
スリカータ
12
Xで流れてきた死を目前にした猫の飼い主の言葉。私も今年は元野良猫だった愛猫と辛い別れがあり、飼い主さんの気持ちは痛いほど分かった。それからポストを追うようになったが、たにゃは亡くなり、納骨も済ませた。そして今、この本を読み、著者がたにゃと初めて出会った頃の事や、餌やりに毎日通った事、晴れて家族になった経緯を知った。たにゃは桜耳なので、保護団体によって避妊手術を受けたのだろう。白いボディに縞々尻尾、可愛い猫だったね。2024/10/07
ミー子
7
Twitterで見つけて、優しさと愛と詩情の滲むたにゃパパ(著者)を、以前からフォローしている。歌舞伎町で、にらむような眼差しの汚れた野良猫と出会い、ボロボロの自分と重なってエサをやり始め、2年後にようやく保護して一緒に暮らすまでのフォトエッセイ。家猫になって、目つきが柔らかくなったたにゃ(猫)。著者が、とてもつらく苦しい気持ちで生きていたからこそ、こんなに優しくなれたんだろうなぁと思った。優しくて温かくて柔らかくて、ちょっと詩的で。たにゃとたにゃパパには、これからももっともっと幸せに暮らし続けてほしい。2023/08/04
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