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内容説明
「治療後の人生」を過ごすためのアドバイス。
5年生存率の上昇によって、今やがんは「死に至る病」から、「生涯付き合っていく病」となりつつあり、しかも現役世代の罹患は3分の1にのぼる。復職や収入減、結婚や出産など、がんを抱えながら生きる難しさ(キャンサーロスト)に向き合う方法をまとめた一冊。
著者の花木裕介氏は38歳の時にステージ4の「中咽頭がん」が判明。幸いにも約9か月の治療で病巣は取り除かれ、復職も果たしたものの、重要な仕事は任せてもらえず、残業の制限などもあって給料は激減。罹患前に描いていた人生のキャリアプランは大幅に修正・縮小を余儀なくされたーー。
花木氏自身と、同氏が代表を務める一般社団法人「がんチャレンジャー」を通じて交流した罹患者6人のキャンサーロスト体験をもとに、罹患者本人はどう喪失感に向き合い、家族や職場などは罹患者にどう接していくべきかを探る。さらに、がん罹患経験者を巡る環境について、医学博士・医療経済学の専門家である真野俊樹氏(中央大学大学院教授)が解説。
これまであまり伝えられることが少なかった「罹患後の大変さ」をリアルな体験を踏まえて紹介し、「治療後の長い人生をどう過ごすか」をアドバイス。
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(底本 2023年8月発売作品)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hirocchi
13
がんはなった方でないと、本当の気持ちや感覚はわからないのだろう。しかし周りにいる人は、悪気はなくとも勝手にこうだろう、こうあってほしいなどで接するべきではなく、個人の思いを出来れば聴いてあげたい。当方、一応医療職ながら医師や看護師など患者さんにしっかり寄り添う業務でなく、改めて認識を持たせてもらいました。ガンは2人に1人が患う病気、医学の進歩もある中、ロストな面を社会的な仕組みでもカバーする必要性を強く感じた次第です。2024/02/29
つっきー
5
キャンサーギフト(がんに罹患したことにより得られたもの)に対する造語キャンサーロスト。 この言葉「ロスト」の方が「ギフト」よりしっくりくる。 がんになって良かったことなど何もないと私は思っている。 確かにがんにならなければ出会わなかった人もいるし、気付きもある。 でもそれをギフトなどという綺麗な言葉で飾りたくない。 キャンサーロストという言葉を与えてくれただけでこの本には感謝したい。2023/11/08
漆黒猫
1
その人によって仮に善意だとしても言われない言葉はあるのだろう。ただ相手の立場に立つのは難しい。これはキャンサーとか関係なくそんな気がする。病気とか別にして、残業を前提にして家計を設定すると大変だと思った。2024/02/20