内容説明
この男、憑かれている…
とんでもない〈怪談野郎〉があらわれた!
怪談蒐集を趣味に持ち、仕入れたネタを友人の怪談作家に提供していた「私」。
ある時、自分の網にかかったネタと怪談作家の取材したネタが被っていることに気づく。
現在進行形の怪談を「怖いから書かない」と言う友人に「私」は思わず口にしてしまった。
「じゃあ自分が書く」と──。
表題作「凶禍の音」を機に蒐集のみならず書き手になってしまった著者の、恐るべきストック怪談集。
・ブロック塀に囲まれている奇妙な家屋「デスマッチの家」
・近所の地蔵になんの気なしに手を合わせたら…「身代わり」
・仕事に追い詰められていた帰り道、遠くに見えたのは…「楽しそうな通り」
――など、魂の奥に流れこんでくる44編!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雨
30
恐らく初読みの作家さん。全体的に淡々とした語り口で紡がれる怪談。2023/08/01
澤水月
11
「ダイエット・ハイ」…自戒込めて焼き付けた、恐ろしい2023/09/11
ナオ
6
表紙が厭。著者がこの本を書く事になったエピソードが怖い。 「本当の噂」自分で流した噂に自分が祟られるとゆーか、魅入られるとゆーか。でも、私なら自分が流した噂がどんどん変化していったら、面白いなーって感じるけど。 「しょっこの爺さん」都市伝説ならいいけど、これもホントなら嫌な話だなーと思う。地獄の沙汰も金次第なのね。しょっこの意味が恐ろしい。そんなもの背負いたくないよね。またも怖い話を人から集めるなんて事はしないって心に誓う。プロから聞いたり、読んだりで充分だから。2023/12/06
TNdler
6
「デスマッチの家」笑い事じゃないんだけど、たしかにありうるよなと思った。「成り格」こういったかたちでの霊能者バトルもあるのか……その後が気になる。「彼らの在り方」信頼出来る霊能者2名を、問題がある家ということを伏せて招待して鍋パする話。霊能者同士の探り合いというか符牒が面白い。「しょっこの爺さん」この方の生い立ちや過去が気になる。全体的に好みの話が多かった。2023/09/14
misui
6
初読みの作家さん(ということにしておきます…)。とある怪談作家に話を提供していたということで、ネタも書き方も非常になじみが良いです。何かを見たり感じたりする人の各々のあり方…それが如実にあらわれた「うなぎ屋の駐車場にて」がお気に入り。2023/08/06