内容説明
怪談実話×妖怪画――かつてない融合で生まれた、二度読み必至のシン・百鬼夜行!
新婚夫婦が引っ越したマンションに、持ち主不明のライターが転がっていた。翌日も、色違いのライターが落ちている。夜中、異音に気づいた夫婦が見たものとは?(「ライター」)
犬が引きずる白いモノ。沼に誘われる少年。頬かむりで踊る白い集団。ロッカーに貼られた女のシール。紅蓮のハト。屋根裏のドールハウス。欠けてゆく地蔵――。
怪しい出来事に遭遇すると、昔から人は「解釈」を試みてきた。幽霊・狐狸・妖怪を想像して「正体」にしようとした。「解釈」や「正体」をすべて削ぎ落して生まれたものが「怪談」なら、そこに「得体」を添えると……。
著者が何年もかけて蒐集した「得体の知れない話」と「得体」を収録。
すべてのお化け好きに贈る、企みに満ちた実話系怪談集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鷺@みんさー
36
著者が聞き集めた実話怪談を、現代の妖怪譚として紹介した、コンセプト的怪談。読みながらついクイズを解くような気持ちになって、直ぐに「これ、間違いなくアレでしょ」ってのもあれば、最後まで読んでも「さすがにそれは牽強附会じゃない?」って思うのもあったけど、ともあれそういう企画ものだということで。話自体はそれなりに怖くて気持ち悪くて面白かったのだけど、妖怪に紐付けられてしまったが故なのか、読み終わるとそこまで印象に残ってる話はなかった。ラストのメアドは、話者の仕込みなんじゃないか?さすがに。2024/07/24
HaruNuevo
20
実話風創作怪談集に、鳥山石燕の妖怪画を組み合わせてみました、といったところか。 隙間時間を塗りつぶすには面白かったが、当然後には何も残らない読書。 絡新婦、手の目の話は組み合わせが秀逸だった。2024/04/16
eyemu
11
古典妖怪と紐づけされていて、とても面白かった。 本編を読みながら、最後に出てくる妖怪を想像するのもまた一興です。2024/03/21
もかを
11
恐ろしくて奇妙だけど説明がつくわけでもない人から聞き集めた話が、妖怪画とセットになってる。話を読みながらあの妖怪かな?と検討をつけるのも面白い。昔の人が奇妙な現象を噛み砕くために名前を付け、姿を持たせたことを踏襲しているような試みだと思う。屋根裏のドールハウスの話が好みだった。2024/01/01
てまり
10
なるほどこの話にこの絵か、そう来たかという楽しみはあったのだが、何しろ妖怪画が秀逸なもので、むしろ絵に興味をひかれてしまいました。 そして妖怪という仕組みを充てたことで、話の怖さは半減してしまったよね。 読みやすいので、雰囲気を楽しむにはちょうど良いかもです。2023/12/18