内容説明
大平洋戦争中盤から受け身の戦い、対抗する航空戦の中で日本軍の人機はいかに行動したのか。一局面での個人あるいは少人数の行動や思考、判断、感想、背景を細かに表現し、不退転の姿勢を保ち続けた軍航空の人々、優秀機を生み出す労苦に挑んだ技術者たちの姿を綴る。第一線の人々と航空機の奮闘を描く9篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roatsu
16
歴史とはその構成単位を担った個々人の無二の体験の膨大な集積だとしみじみ思う、先次大戦の我が陸海軍航空戦記集。零戦のエース・杉野計雄さんの戦歴に始まり、近年十和田湖底で不時着機がほぼ完全な形で発見、引き揚げられたニュースで名高い一式双発高等練習機の戦いまで、豊富な取材と資料読込に裏打ちされた緻密な筆致が改めて我が国がいかに戦ったのかを浮かび上がらせる。海軍の夜戦乗りでB29撃墜王として名高い遠藤幸男大尉の作為された英雄像ではなく一隊員、一個人としての素顔に迫る一編は興味深い。昭和19年2月、海南島駐留の零戦2023/07/14
大森黃馨
8
つくづく思うのは著者の渡辺洋二氏は一体これまでどれだけの方々に取材をされてきたのだろうという事まさにスペシャリスト畏怖を覚えるとても真似の出来ないしようがない偉大なる業績とその成果たる著述群 所で幼い子供にはディズニーやカービィ等も悪くはないだろうがやはり男は一発外に出たら七人は敵がいるものそれらに負けない覇気を養うためにもこうした戦記等にも親しませておくべきなのかもしれないと愚考する 2023/08/26