内容説明
周りを気にし、本音を隠す瑠奈は、ネット上に溢れる他人の“正しい言葉”通りにいつも生きようとしていた。しかし、ある日、瑠奈は友達との人間関係のストレスで自分の意志では声を発せなくなる。代わりに何かに操られるようにネット上の言葉だけを勝手に話してしまうように。最初は戸惑う瑠奈だが、誰かの正しい言葉で話すことで、人間関係は円滑になり、このまま自分の意見は言わなくていいと思い始める。しかし、幼馴染の紘だけは納得のいかない様子で、「本当のお前の声が聞きたい」と瑠奈自身を肯定してくれ――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
彩
11
最後の結末が意外で、私的には凄く賛成する結末でした。「嫌なことに目をつぶって、言いたいことを我慢すれば、1人にならずに済んだ。でも、嫌われていいことを、逃げてもいいことを知った。私は私のままでいい。」というセリフが凄く心にささりました。確かに、周りに合わせていれば嫌われることはない。でも、そんな関係はきっと、苦しいし、それは本当の友達とは言わない。そうわかっていても、嫌われるのはみんな怖い。自分の意見をみんなに伝えるには凄く勇気がいると思います。自分の気持ちを持つことの大切さがよく分かりました。2023/10/13
栗山いなり
8
周りを気にしすぎて自分の本音を隠しがちな瑠奈の成長を描いた青春小説。何というか、読み終えてから振り返ってみると結構俺好みな作品だった気がする。言葉って本当に難しいよなと思った2023/08/19