角川書店単行本<br> 化け者手本

個数:1
紙書籍版価格
¥1,980
  • 電子書籍
  • Reader
  • 特価

角川書店単行本
化け者手本

  • 著者名:蝉谷めぐ実【著者】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 特価 ¥1,386(本体¥1,260)
  • KADOKAWA(2023/07発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041136362

ファイル: /

内容説明

「命を天秤にかけてこそ、示せるものがあるでしょう?」

ときは文政、ところは江戸。
心優しき鳥屋の藤九郎と、稀代の女形だった元役者の魚之助のもとに、中村座の座元から事件の話が持ち込まれた。
舞台の幕が下りたとき、首の骨がぽっきり折られ、両耳から棒が突き出た死体が、客席に転がっていたという。これは何かの見立て殺しか。
演目は「仮名手本忠臣蔵」。死人が出るのはこれで二人目。
真相解明に乗り出したふたりだったが、芸に、恋に、義に、忠に生きる人の姿が、彼らの心を揺さぶって――。


『化け者心中』『おんなの女房』で話題をさらった新鋭が放つ、極上上吉のエンタメ時代小説!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のぶ

110
「化け者心中」の続編。前作の時も感じましたが、蝉谷さんの文章には独特のリズムというか、節回しがありますね。それが読んでいて心地良いです。物語は文政時代、江戸随一の芝居小屋中村座にて『仮名手本忠臣蔵』の演目を終えた客席から屍体が見つかる。その屍体は、首の骨を折られて両耳に棒が突き立てられていた。中村座座元は、鳥屋の藤九郎と元女形の魚之助に真相解明の依頼をする。話を聞くと、その屍体は実は2人目であった。前作同様、藤九郎と魚之助が中心になってストーリーを進めていく。このふたりのコンビが本作の魅力だと思う。2023/08/25

mike

80
「化け者心中」続編。芝居小屋中村屋で起きた奇怪な殺人事件。元女形魚之助と鳥屋の藤九郎が真相解明に乗り出す。ものすごく面白いとは思わないけど、この独特の語り口が小気味よくてクセになる。魚之助と藤九郎は各々の心情の変化を自覚している。分かり合えそうで、するりと躱され、しかし、離れる事もできなくなってしまっているふたり。もう少し行く末を追ってみたい気になる。2024/02/06

みゆ

76
シリーズ2作目も面白かった~ヽ(^o^)丿芝居小屋、歌舞伎役者、芝居の演目… 道具立ては時代物だが、今に通じるモノを感じる。芝居に取り憑かれ人の道を外れることも厭わない芝居者。評判を得るためには何でもアリの役者や座長は過激系YouTuberと同じだよな~と思ってしまう。化け物のような心根の人と、人の心を持とうとした化け物の対比が鮮やかな一冊でした('∇^d)☆!!2024/01/27

たいぱぱ

66
好きという気持ちは、こんなにもおぞましく、煌びやかで、恐ろしい。考えてみるといつの世でも事件や戦争は、人でも宗教でも信条、信念でも「好き」という気持ちが発端になってる。その「好き」が高じて他人を思いやる気持ちがなくなった時、人は化け者になる。表紙の魚之助は化け者に見えましたが、読後「意図して描いた!?」とニヤつきました。本シリーズ最初の『化け者心中』を読んでから3年経ってました。全てのキャラを綺麗さっぱり忘れてました🤣。読み進めるうちに記憶が蘇ってくる感覚は気持ち良くもあり、人間の脳の神秘を感じました。2024/06/23

aquamarine

64
中村座「仮名手本忠臣蔵」の幕が下りた時、客席には首を折られ両耳から棒の突き出た遺体が転がっていた。これは何かの見立て殺人か、あるいは…。鳥屋の藤九郎と女形の元役者魚之助は真相解明に乗り出すことになる。前作同様江戸の人々の生命力と、役者の狂おしいほどの渇きと業に圧倒される。芝居小屋の板の上、現と嘘をないまぜに、人間の部分をどれだけ捨てたら満足できるというのだろう。藤九郎と魚之助の関係も、変わらずお傍にと思う藤九郎に対し魚之介は少しずつ自分を見つめ直し、変わっていくことになりそうだ。今回も大好きな世界を堪能。2023/09/08

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/21366256
  • ご注意事項