サクラサク、サクラチル

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サクラサク、サクラチル

  • 著者名:辻堂ゆめ【著】
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 双葉社(2023/07発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 510pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784575246513

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内容説明

「絶対に東大合格しなきゃ許さない」――両親の熱烈な期待に応えるため、高校三年生の高志は勉強漬けの日々を送っていた。そんなある日、クラスメートの星という少女から、自身をとりまく異常な教育環境を「虐待」だと指摘される。そんな星もまた、自身が親からネグレクトを受けていることを打ち明ける。心を共鳴させあう二人はやがて、自分達を追い詰めた親への〈復讐計画〉を始動させることに――。教室で浮いていた彼女と、埋もれていた僕の運命が、大学受験を前に交差する。驚愕の結末と切なさが待ち受ける極上の青春ミステリー。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

334
辻堂 ゆめは、新作中心に読んでいる作家です。タイトルから爽やかな青春ミステリかと思いきや、毒親イヤミス青春譚でした。著者は東大卒、自らをどう評価しているのでしょうか❓ https://www.futabasha.co.jp/book/978457524651300000002023/09/14

パトラッシュ

301
東大合格のため猛勉強を強いられて心身ともボロボロな高校生の染野は、母子家庭で母親からネグレクトされている同級生の星と知り合う。大人の思惑や都合に暴力で従わされてきた教育虐待被害者の少年とヤングケアラー少女の出会いが化学反応を起こし、自分たちから青春を奪う大人社会への復讐を企てる展開はアラン・シリトーの『長距離走者の孤独』と重なる。異常なほど身勝手な双方の親は戯画的だが、二人が親を見捨てると決断するのも当然と思わせる。他人のためでなく、自分の生き方を自分で決めるための戦いに勝利する痛快な反抗のドラマなのだ。2023/08/29

のぶ

208
読んでいて胸が苦しかった。東京大学に入学するための本人の努力と、それに伴う家族の行動を描いた物語。主人公は染野高志。東大を目指すことを強要されている高志と、自らと親の生活費を稼ぐためアルバイトしながら高校に通う、星という同級生の少女と出会うことから始まる。そして2人はシンパシーを感じるとともに、お互いの家庭環境に疑問を持ち、復讐計画を練る。合格するために家族から虐待ともとれる仕打ちを受け懸命に耐える高志。星との交流が唯一気休めになる。青春ミステリーだが、爽やかさはあまり感じなかった。2023/08/09

ウッディ

205
勉強以外の自由な時間を奪われ、成績が下がると暴力を振るわれる教育虐待を受け、東大合格以外の生き方がないと思っていた染野と、生活の糧を娘に依存し、男ができると放置する母親の元で育った愛璃嘉は、クラスメイトとして出会い、お互いに自由に生きられることを教え合う。タイトルから入試を題材にした「ドラゴン桜」のような物語かと想像していたが、染野の地獄のような勉強の日々と親のエゴと虐待は予想外でした。染野に向けられた悪意の犯人、復讐の手段いずれも、予想した通りでしたが、子供に勉強させる意味を考えさせられる一冊でした。2023/12/08

hirokun

198
★4 虐待されている生徒が一方で親に依存しているという困難な状況をテーマにした作品。親、家族からの自立、自律は青春時代の最大の課題であるような気がする。虐待の描写は些かシリアスで気分が悪くなるものであるが、最後は気持ちよいエンディングにつながっている。 少し、本題から外れるが、私は60歳の半ばを過ぎているが自分自身にとっての幸せとは何かいまだに掴みかねている。2023/08/22

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