幻冬舎新書<br> 買い負ける日本

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幻冬舎新書
買い負ける日本

  • 著者名:坂口孝則【著】
  • 価格 ¥982(本体¥893)
  • 幻冬舎(2023/07発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784344986985

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内容説明

かつては水産物の争奪戦で中国に敗れ問題になった「買い負け」。しかしいまや、半導体、LNG(液化天然ガス)、牛肉、人材といったあらゆる分野で日本の買い負けが顕著になっている。日本企業は、買価が安く、購買量が少なく、スピードも遅いのに、過剰に高品質を要求するのが原因。過去の成功体験を引きずるうちに、日本企業は客にするメリットのない存在になったのだ。調達のスペシャリストが目撃した絶望的なモノ不足と現場の悲鳴。生々しい事例とともに、機能不全に陥った日本企業の惨状を暴く。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

117
コロナを契機に我が国が見舞われたのは「品不足」ではなく「買い負け」だった。半導体、木材、海運、LNG、食料、労働力…有事において「何でもやった」他国に対し、日本企業の緩慢さが具体的に指摘されている。この国を高度成長に導いた、仕入れの多層構造・品質第一主義・全員納得主義という日本企業の特性が、構造的欠陥として逆作用している。これに対して、著者は示唆に富んだ提言を示しているが、ただ、本質が、モノ作りから価値作りに移行できない日本産業の没落(買う力の低下)にあるとすると、小手先の処方箋では役に立たない気がする。2023/09/14

メタボン

26
☆☆☆☆ 日本の現在の窮状について鋭く論じた良書。背景にコンサルティングで得られた数々の実体験があるのだろう。品質にこだわるがゆえに注文が多い、事なかれ主義で決断が遅い、こういった日本の習慣が嫌気されて、ますます買い負ける状況になっている。半導体を売ってもらえない、木材を売ってもらえない、貿易船によってもらえない、そして食料をうってもらえない。失われた30年と言うが、このままでは日本そのものが失われることにならないか。交渉にあたり「結果ではなく手法と結果幅の合意を」というのは同感。2023/12/19

こも 零細企業営業

22
世界的に物流が滞り、物資は不足し、価格も上がって行っている。近隣国はそれに早急に対応するのだが、、日本企業のはかつて強かった経済の幻想に踊らされ。日本経済全体の凋落を感じず、日本円が弱くなってる状況下で、過剰な品質要求を他国の業者にし、返答や問い合わせに対して決断が遅く。それらが、日本企業が「買い負け」する原因となっているらしい。知らんけど。2024/02/07

まゆまゆ

16
半導体不足に代表されるあらゆる部材の供給量の不足はなぜ起こっているのか、景気サイクルではなく諸外国企業との購入競争に負けた結果確保できていないことを紹介していく内容。かつての納入してもらって当然という態度が今も変わらず、高い品質を要求し、決定が遅い。これと逆にあらゆる手を使って確保しようとする中国などの諸外国企業を優先するのは当然なのかも……2023/10/16

15
刺激的な内容で一晩+αで読み終えた。日系企業、特に大企業に勤めている人にはご一読をお勧めしたい。「なぜグローバルで調達負けしているのか」を掘り下げて、日系企業凋落の構造的要因まで喝破している本である。私自身、日系企業に勤めている身として思い当たる節がいくつもあった。中でも、無責任体質(全員合意)・自分=現場で判断しない・直接会いに行かない、の3点セットは刺さった。自分自身に当てはまるからだ。なお、心が元気なタイミングで読むことをお勧めする。全241頁中、188頁まではひたすら絶望を感じるからだ。2023/11/17

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