ドキュメント 日銀漂流 - 試練と苦悩の四半世紀

個数:1
紙書籍版価格
¥2,750
  • 電子書籍
  • Reader

ドキュメント 日銀漂流 - 試練と苦悩の四半世紀

  • 著者名:西野智彦
  • 価格 ¥2,750(本体¥2,500)
  • 岩波書店(2023/08発売)
  • ポイント 25pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000614382

ファイル: /

内容説明

ゼロ金利,量的緩和,インフレ目標,政府との共同声明,異次元緩和――.異例の金融政策の背後で,いかなる議論や駆け引きが行われていたのか.日銀法改正から菅政権発足まで.日銀に密かに眠るオーラルヒストリーを基に,悲願の「独立性」を追い求めて後退戦を余儀なくされてきた新日銀歴代総裁の苦闘の歴史を白日の下に晒す.

目次

まえがき
プロローグ 「独立」への旅の始まり
第1章 「松下時代」 日銀法改正と金融危機 1996~19989
I お銚子をさっと引き揚げるように/最大限の独立性付与を/「ピュア・セントラルバンク」の影/冷徹なるリアリズムと為替介入権/日本国憲法の高き壁/副総裁への上訴/「独立性」の天王山/自民党の不満,放たれた矢
II 組織改革と迫りくる危機/デフォルトは「パンドラの箱」/拓銀破綻とW杯サッカーの夜/山一特融は是か非か/一一・二六事件の恐怖
第2章 「速水時代」 独立性という陥穽 1998~2003
I 瓦解した「権威」/組織の沈滞,理事の自殺/幻の日米会談と政策発動/苦肉のゼロ金利政策/返り討ちと「青春のペーパー」/「日銀理論」への異論
II ゼロ金利解除と日銀批判のうねり/シャンパンは独立の味/量的緩和への「詰め将棋」/速水辞任騒動の真相/不良債権処理に「禁じ手」を
第3章 「福井時代」 反転攻勢,量の膨張と収縮 2003~2008
I 宮澤の「口頭試問」/「プリンス」のスタートダッシュ/りそな救済をジャンプ台に/大介入との奇妙なハーモニー
II 日本銀行を「バンク」に/「大いなる安定」と隠密行動/量的緩和解除への険しい道/痛恨の落とし穴
第4章 「白川時代」 危機の再来,政治との確執 2008~2013
I 「総裁不在」の異常事態/リーマン・ショック襲来す/それは中央銀行のやるべきことか/「新PKO」は神棚へ
II 政治との確執,デフレとの格闘/大震災と「リフレ派」の決起/時代の空気と日銀法/財務省の「三点セット」/安倍の復活,白川の窮境/四つの条件,秘めたる決意
第5章 「黒田時代」 ゴール未達,そして漂流 2013~
I 共同声明,土壇場の攻防/首相の選択は「三方一両損」/「黒田バズーカ」の出現/消費税とバズーカII
II 「秘中の策」へ密かな準備/マイナス金利の「発煙弾」/金融界の反発,初めての不協和音/「イールドカーブ・コントロール」という曲芸/トランプ登場と「ポスト黒田」/バランスシート膨張のジレンマ
エピローグ コロナ・ショック,そして首相交代

あとがき
主要参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

se1uch1

90
中央銀行という特異な組織が、どうやって意思決定を行ったのか、政治や経済との関係から、悩み、苦しんだ経緯が書かれていて大変興味深かった。黒田バズーカによって、日銀が責められることが当時と比べれば少なくなったのだろうが、今後この出口戦略はどうしていくのだろうか。過去に出口を悩んだOBたちからすると、きっと言いたいことはたくさんあるのだろう。「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」ともあるが、しっかりと歴史から学ぶことができるのだろうか。2022/02/11

booklight

33
なるほど、不況脱出に正解などないのか。松下、速水、福井、白川、黒田とそれぞれの総裁を中心に事実を時系列で追う。日銀法改正論議から始まり、ゼロ金利、量的緩和、リーマンショック、異次元緩和、コロナショックと、なんでこんなことになってしまったのかを後世に残すためにと前書きにある。確かに当初論議されていた日銀の独立性とはずいぶん遠くまできた感じだ。今後日本経済がどうなるかによってその是非が問われるのだろう。金融施策とは別に、それぞれの気遣いがすごい。結局人間のやることだから、気遣いも大事なんだと改めて驚く。2024/01/27

Kuppa

20
本当によく取材されている。「試練と苦悩の四半世紀」と題されているが、まさに試練と苦悩だらけの道のり。政治との距離感に悩みつつ、また、思想や理論に基づいて実施した政策も現実には思った効果を発揮しない。震災やコロナや、いまは円安が進み、その度に日銀も苦悩する。緩和を続けてきた結果、いま日銀は、償還されないETFや信じられない量の国債を保有し、通貨の信認を保ったまま出口にいけるのか。考えるだけでも気が重くなってしまった。でも、この間の政策の変遷やその意図もよく分かる面白い一冊だった。2022/09/07

羊山羊

15
現在の日本銀行がいかに作られたか。大蔵省からの独立〜現在の黒田総裁までを追う。 新しい公的機関ができたときの興亡史としても貴重な意味を持つ本だ。本著で気付かされるのは、黒田総裁の異能ぶりと、その黒田総裁を生むまでに育まれてきた組織としての硬直性とその土壌、ずっと組織を揺さぶる経済情勢の大変化だ。揺さぶりに耐えられない組織としての弱さが黒田総裁を生んだのだ。その極致が、2008年ねじれ国会の中での日銀総裁不在→副総裁白川の総裁就任だ。 2022/09/04

駒場

9
政策解説も丁寧でありながらドキュメンタリーとしてもよくできた本。アベノミクス以降で日銀の独立性ってなんだっけ?となって以降、日銀政治関連本は多く出ている印象があるが、四半世紀を通史で、しかも当事者の言葉や当時の報道まで拾って概観してくれるのはありがたい。安倍晋三が副官房長官だった時に夏休みだった先輩らに代わって突如「日銀緩和解除」の会見をしなきゃいけなくなったことがその後の彼の中央銀行観に影響を及ぼしたとか、白川総裁と同郷だった麻生は安倍政権下でも総裁を気遣っていたとか、色々おもしろ裏エピソードがあった2022/01/10

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/16879965
  • ご注意事項

最近チェックした商品