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内容説明
立体映像を映しだす機械に、亡くなった祖母の日記や写真のデータを充希(みつき)が入力すると、リアルな祖母の姿が現れた。ばーちゃると呼ばれ、家族の一員になるが、自分の存在意義を考えるようになる。近未来的な奥深い物語。バーチャルな世界を見つめ、命の尊厳を問う。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
バニラ風味
19
ぼくのおかあさんの務めている会社では、新型投影機スーパーイメージプロジェクター、未来の新しい遺影の開発をしている。その試作品として、家では、その機械に亡くなったおばあちゃんの写真などを情報を打ち込んでモニターしている。ぼくは、その打ち込みアルバイトをしているんだけれど、ある日、バーチャルおばあちゃんの「ばーちゃる」がしゃべりだした。ばあちゃるは、心を持ち、会話できるロボットになりつつある。こんな未来が本当に来そうで、人間とロボットの共存について、考えさせられた。2022/07/22
スイ
13
面白かった! 亡くなったおばあちゃんのデータを基にしたAI、というと亡くして悲しむ家族がAIとの交流で立ち直り、旅立ちを受け入れるハートフルな物語、というのが王道だと思うが、今作はそちらには進まない。 物語を楽しみながらも、AIと人との距離を考えさせられた。 ラストシーンが鮮やか。 AIだから厳密にはおばあちゃんではないのだけど、でも皆を癒す“マジカルグランマ”じゃなかったのも良かったなー!2022/06/17
timeturner
6
近未来を舞台にした児童文学。最近多い「AIは心を持てるか」問題とも関連している。いくら本物そっくりに創れたとしても、失った人の代わりにはならないよなあ。むしろ、そっくりだからこそ余計に喪失の大きさを感じて哀しみが新たになるだけなんじゃないだろうか。2023/04/09
芦屋和音
3
小学生の充希の家に、亡くなった祖母の日記や写真のデータを取り込んで立体映像となる「ばーちゃる」がやってくるが……。ばーちゃるの試作機は母が会社から持ち帰ったもの。母がさりげなくバリキャリなのが良い。祖母の思い出を取り込むほど、ばーちゃるが祖母になるわけではなく所詮機械であることを自覚してゆく様はいろいろと考えさせられる。近い未来のお話。2022/11/17
のりり
3
児童書。亡くなった祖母の日記や写真のデータを入力するとリアルな祖母の姿を立体映像として映し出すことができるAIとその家族の話。最初は機械的な喋り方だったけれど、データを増やしていくとどんどん本物の祖母らしくなっていき、家族の一員となるが、自我を持ち自分の存在意義を考えるようになる。自分で考える頭脳を持ったAIの存在について考える時代がきている。小・中学生にオススメ。2022/08/21