内容説明
光と影がうつろい、鳥がささやく。刻一刻と変化する日本庭園をアーカイヴすることは可能か――日本庭園を総合的に知覚するために。日本文化研究の新鋭が、現代のテクノロジーを駆使して日本庭園の知られざる側面を明らかにするとともに、その新たな姿を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
みなみ
23
刻一刻と変化して行く日本庭園をアーカイブ化するという不可能への挑戦をテーマとした新書。文字や画像だけでなく、音声もデータ化されていて、情報量が素晴らしい。縁側でぼんやりと庭園を眺めることが、目の前の風景に目を向けてはいるが、分析的・集中的に「見る」のではなく、全体を漫然ととらえているとするのは、確かにと納得。2024/05/13
gu
9
庭園を変化し続ける動的なものとして捉えているのが他の本とは異なる切り口で面白かった。その点でジル・クレマンの『動いている庭』にも接続されていた。把握しきれない豊穣さを持つ経験の場所としての庭園(日本庭園)。ジョン・バージャーの『野原』という文章も連想させる。言われてみればたしかに最近の人文界隈で日本庭園が流行っている。2025/10/10
つまみ食い
7
タイトルの通り、三島由紀夫の「終わらない庭」という一節に象徴されるような日本庭園の美学に基づいた筆者の参加する庭園アーカイブを紹介しているが、日本庭園の歴史とその美学を日本古典や漢詩を豊富に引きながら解説しており、日本庭園にかんしての良質な手引でもある。2024/07/21
kurupira
6
デジタルでアーカイブするプロジェクトを否定する訳では無いが、四季折々変わり行き繰り返す日本庭園について詳細を記録する事は、その瞬間を切り取っているだけの感覚を持ってしまう、、記録を残し続け膨大なデータを積み上げるだけだと、庭園の訪問者への一期一会となり得るのか?デジタルで積み上げて重複なデータをばっさり落とす間引き行い、また日々蓄積するようなサイクルを持って庭園を組み上げる方が本質に近づけるのでは??という感想を持ちました。なかなか興味深い新書でした。2024/04/06
十文字
2
「日本庭園」と「デジタルアーカイブ」が頭の中で結びつかなかったけど、内容を読んで納得。ジル・クレマンの『動いている庭』を過去に読んでいたので理解しやすかった。2024/01/13




