生存者

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生存者

  • ISBN:9784152102539

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内容説明

20年前にある悲劇が起こった湖のコテージに三兄弟が戻ってきた。今、彼らは母親の遺灰を湖に撒き、目を背けてきたあの夏の真実と対峙する。光り輝いていた少年時代を変えた日のことを──スウェーデンを代表する作家が過去と現在を巧みに交差させ描く家族の物語

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ヘラジカ

56
これもまた肉親という結びつきの強さ、そして脆さを感じさせる、遠い国でありながら誰しも親近感を感じうる作品である。日常生活を軸に過度な装飾を省いて綴られる思い出の数々は、ドライとも言える読み心地で終始モノクロの情景が思い浮かぶ。ところが、プロットはかなり意欲的で、ただならぬ過去(または未来)があらかじめ提示されているため、思わずというように先へと読み進めてしまうのだ。落ち着いてはいるが感情を波立たせる上質な文章と、不意打ちのようなあの”ツイスト”によって非凡な作品として記憶に残るだろう秀作。2023/07/23

キムチ

37
前知識なしの読書 終えてみると筆者の語りの巧みさ、情景が醸す効果 技巧的なツイストの構成が光る秀作だ。北欧と舞台を置いている事で湖~独特の空の色 トウヒ等針葉樹が湿った昏さを醸す。一時 よく言われた岸辺の家族?∼暴力的な父、感情が揺れ動く母 共に気まぐれにロジックを用い子供を振り回す描写は嫌悪すら覚える。ベンヤミンの視点で語りが展開する。長兄ニルス 三兄ピエール各々が体験したかつての子供時代とリアルの今がゆらゆらと絡まりつつ流れていく∼最近、この手法 ミステリーでの多用が目立つけど。。ナラティブな心情吐露2026/07/10

空猫

34
どこかで書評を見かけ読む。三兄弟と両親という家族の思い出話と、大人になった現在が交錯して延々と続き、何を読まされているのか分からなかった。スウエーデンの自然の描写が美しかったが、ミステリっちゃミステリだけど、結局拍子抜けだった。何処にでも、たまにこんな不安定な家族居るでしょ。 2024/01/10

M H

27
ギクシャクとした三兄弟、両親。章ごとに時間軸を交差させて終盤にある事実が投げ落とされる。衝撃といえば衝撃なのだけれど、そこに至るまでのエピソードが映し出す諦め、悲しみ、粗野さといびつな絆がこの上なく、気が滅入るほどに雄弁だ。自然の美しさと家庭の貧しさ、不潔さの描写にも胸がいっぱい。だから私にとってその事実と時間軸の片方は答え合わせにすぎない。良い小説だと思うけど…2024/01/26

フランソワーズ

21
母の死を受けて、三兄弟が帰郷し、往時を偲ぶ物語。といっても決して心温まるものではない。男たちだけでなく母も含めた、突発的暴力があらゆるものを壊そうとする家族の姿を、唯一”傍観者的に全てを見守る”次男ベンヤミンを通じて、断片的に、現在と交差させて描いてゆく。文章は丹念な描写により、映画を観ているような、好きなタイプでした。2023/09/03

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