日本経済新聞出版<br> ふりさけ見れば 下

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日本経済新聞出版
ふりさけ見れば 下

  • 著者名:安部龍太郎【著】
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 日経BP(2023/07発売)
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  • ISBN:9784296117499

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内容説明

遣唐使は日本の朝廷からどのような命を受けて派遣され、中国で何をしていたのか――
2012年の直木賞受賞作『等伯』に続く、安部龍太郎氏の日本経済新聞連載小説は、対外的に「国家」としての土台を築き上げた8世紀・奈良時代の日本を、ユーラシア大陸・東アジアの中に位置づけて描いたスケールの大きな作品。安部氏の新たな代表作といっても過言ではない。
日本とユーラシアを結びつけるのは、唐で科挙に合格し玄宗皇帝の側近にまで出世したたぐいまれなる日本人・阿倍仲麻呂、そして仲麻呂とともに唐に渡り当時の大唐帝国のすぐれた文化・政治制度を内政に移植した学者にして政治家の吉備真備。唐からは、玄宗皇帝と楊貴妃、安史の乱を起こした安禄山、大詩人の李白や杜甫など、日本でも多くの逸話が知られる人物が続々と登場する。ついに帰国できなかった阿倍仲麻呂が日本の朝廷から帯びていた重大な密命とははたして……
当時、吉備真備らが持ち込み移植した律令制度はその後いまに続く日本の法律の中に色濃く残る。日本の皇室の儀礼にもこの頃移植したものが少なからず存在し、鑑真和上の招聘による仏教の興隆など、「国家」としての土台はまさにこの頃に築かれたものである。チベット、新疆ウイグルなどとの中国の緊張関係は1300年前から連綿と存在していた。日本と中国の関係、日本と朝鮮半島の関係、中国と朝鮮半島の関係は古代から幾多の戦乱を経て、連綿と今に続くものである。歴史時代区分としては日本の古代を描いた小説ではあるが、ここが「東アジアの中の日本」の視座の原点かもしれない。

目次

第八章 明日への忍従
第九章 盟友再会
第十章 遠い祖国
第十一章 それぞれの道
第十二章 琴弾き岩 

(以下、上巻)    
第一章 遣唐使来る
第二章 三人の運命
第三章 帰国と残留
第四章 それぞれの道
第五章 運命の岐路
第六章 出世の階段

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

173
上下巻、900頁強、完読しました。当時の世界の先進国 唐で最難関の科挙に合格し、玄宗皇帝の側近にまで出世したたぐい稀なる日本人・阿倍 仲麻呂、現代で言えば、大谷 翔平のような存在、スーパースターだったに違いありません。「天の原ふりさけ見れば春日なる 三笠の山に出でし月かも」スポットで入ってくる濡れ場のシーンは、日経新聞読者のためのサービスでしょうか(笑) https://bookplus.nikkei.com/atcl/catalog/23/06/08/00860/2023/08/05

パトラッシュ

122
(承前)理想の政治を求める仲麻呂と真備の苦闘は、海を挟んだ日唐両国で続く。権力者の奇怪な思惑に振り回され、一歩前進二歩後退を強いられ続けながら、二人とも決してあきらめない。ようやく目的を達して二度目の遣唐使で来た真備と帰途に就いた仲麻呂が、自分の努力は無駄と悟って愕然とする場面はスパイの悲哀を強く描き出す。再び別れた彼らが念願を果たせたのは、皮肉にも安史の乱と恵美押勝の乱という権力構造の大変革を生き抜けた故だった。政治と諜報と友情の絡む半世紀に及ぶドラマは、朝廷の秘庫と楊貴妃渡来伝説にすべて収斂したのだ。2023/10/08

kawa

31
日経新聞掲載時読了。20ヶ月に及ぶ長期連載、しかもやや苦手の古代、中国ものながら毎朝楽しみに読むことが出来た。機会があれば再読も。現在、新聞小説6本追っかけ中。2023/07/06

のぶのぶ

28
 阿倍仲麻呂、吉備真備、鑑真、楊貴妃など、教科書には、簡単に書いてあるが、ストーリーで読むと、壮大なつながりがありそう。いろいろな思いがあって歴史が作られているのが分かる。魏略38巻は、本物がどこかにないだろうか。日本、天皇の始まりがわかることだろう。阿倍仲麻呂は日本だけでなく唐も救っていたことも分かる。それにしても、後継者争いは、どこでも問題があるものだなあと感じる。文字があり、記録が残っていることは、唐(中国)はすごいもの。歴史もいろいろ知ることでつながっていく。思い切って上下巻の本を買って良かった。2023/11/12

mitubatigril

14
密命を帯びた仲麻呂は、日本に帰る事を諦めて後ろ暗さをまといながら恩人を裏切り 妻を裏切り 今まで通り仕事にいそしみながら密命の為に出世欲を出して行く。 下巻は割とサクサク読んで行けた。 やはり歴史小説好きの自身としては戦国時代も面白いが 以外に平安時代の駆け引きドロドロの世界観も面白い😆 全く関係ないけど来年の大河ドラマが楽しみだ2023/08/30

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