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内容説明
トランスジェンダーとはどのような人たちなのか。
性別を変えるには何をしなければならないのか。
トランスの人たちはどのような差別に苦しめられているのか。
そして、この社会には何が求められているのか。
これまで「LGBT」と一括りにされることが多かった「T=トランスジェンダー」について、さまざまなデータを用いて現状を明らかにすると共に、医療や法律をはじめその全体像をつかむことのできる、本邦初の入門書となる。
トランスジェンダーについて知りたい当事者およびその力になりたい人が、最初に手にしたい一冊。
◆目次◆
第1章 トランスジェンダーとは?
第2章 性別移行
第3章 差別
第4章 医療と健康
第5章 法律
第6章 フェミニズムと男性学
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
35
これまで「LGBT」と一括りにされることが多かった「T=トランスジェンダー」について、さまざまなデータを用いて現状を明らかにすると共に、医療や法律をはじめその全体像をつかむための入門書的一冊。トランスジェンダーとはどのような人たちなのか。性別を変えるには何をしなければならないのか。トランスの人たちは家庭や学校教育、就労といった面でどのような差別に苦しめられているのか。そして、この社会には何が求められているのか。今の社会はトランスの人が当たり前に生きていくことがいかに難しいかということを改めて実感しました。2023/08/02
ossan12345
27
「男の子としてこれからずっと生きなさい」「男の子は男の子らしく生きなさい」の違いを、重大な課題として新たに認識することがてきた。とはいえトランスジェンダーにまつわる課題はまだまだ多い。スナク首相の"A man is a man, and a woman is a woman, that's just common sense."にもあるように、シスジェンダーの我々が未だうまく扱い切れていない面がむしろ最近は目立つ感もある。混迷のLGBTQ入門にうってつけの一書と思う。2023/10/22
katoyann
27
「出生時に割り当てられた性別とジェンダー・アイデンティティが異なる人」と規定されるトランスジェンダーの入門書。本書では人口の0.7%とされており、さらに「トランスジェンダーの知り合いがいる割合は9人に1人」(77頁)であるとされている。つまりマイノリティの中のマイノリティなのだが、それ故に偏見や不当な差別的態度に日常的に晒されやすく、生きづらさを覚えるトランス当事者の実態が分かる。衝撃的なのは、うつ病罹患者がトランス当事者の中では3人に1人にのぼるということである。権利保障をするのは我々の義務だろう。2023/07/20
buuupuuu
26
まずトランスジェンダーとは、出生時に割り当てられた性別と、ジェンダーアイデンティティが異なる人達のことだと教えられた。自分もやはり「心と身体の不一致」というような不十分な理解にとどまっていた。そしてアイデンティティが社会規範でも身体的特徴でもないところからやってくるなら、どこから生じるのだろうかという哲学的疑問も抱いた。トランスの人達の眼を通して見ると、私達の社会の法、制度、慣習といったものが、不必要なほどに「性別」と結び付けられていることが見えてくる。フェミニストや弱者男性にとっても得るところが多い。2023/12/17
neputa
26
とても読みやすく、かつ私の無知・無自覚をかなりの部分で補完してくれた。トランスジェンダーの置かれている現状、法や社会慣習における問題点、未来への提言が丁寧に説明されている。また多様な立場を取り入れて社会を構築した方が私たちはより良くなれると確信できる内容。ジェンダーに関する問題の根源は、誰もが「らしさ」を強く意識する社会通念だと気づかされる。トランスジェンダー、非トランスジェンダー問わず、誰もが「らしさ」にこだわり、「らしさ」に苦しんでいる。誰もが関係する話であり、みんな読もうよと言いたい。2023/10/13