ワクチン開発と戦争犯罪 - インドネシア破傷風事件の真相

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ワクチン開発と戦争犯罪 - インドネシア破傷風事件の真相

  • 著者名:倉沢愛子/松村高夫
  • 価格 ¥2,530(本体¥2,300)
  • 岩波書店(2023/07発売)
  • ポイント 23pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000615853

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内容説明

1944年8月,ジャカルタの収容所で,ワクチンを接種したロームシャが破傷風で多数死亡した.この謎の事件の背景には何があったのか.犯人として処刑されたインドネシア人医師,破傷風で命を落としたロームシャ,そして遥か離れた中国大陸で七三一部隊の人体実験に供された〈マルタ〉をつなぐ日本軍の謀略が,いま明らかになる.

目次

はじめに
第Ⅰ部 つくられた破傷風ワクチン「謀略」事件
第1章 ロームシャ収容所の地獄絵――破傷風患者の大量発生――
1 事件の始まり――労務処理班からの緊急連絡(一九四四年八月六日)
2 日本軍の対応
3 汚染されたワクチン――ワクチン接種直後の惨事だった
4 初めてではなかった破傷風の集団発生
5 謀略事件と判定
6 労務処理班関係者の逮捕と強制された自白
7 モホタルら医学界重鎮の逮捕(一〇月七日)
第2章 スケープゴートがつくられるまで――日本軍が捏造したドラマ――
1 憲兵隊による取り調べ
2 エイクマン研究所に破傷風菌はあったのか?――モホタルに向けられた容疑
3 モホタルの“自白”からマルズキ,アリフの逮捕へ
4 モホタル,供述を変える
5 事件の 末――モホタルとスレマン・シレガルの最期
第3章 蜘蛛の巣から逃れて――マルズキの場合――
1 マルズキの逮捕
2 獄中からの手紙――釈放へ向けて奔走
3 釈放されなかったマルズキ
4 終戦――マルズキの釈放
第4章 行われなかった真相究明
1 連合軍による取り調べ
2 戦後日本における認識
3 ?罪の主張とインドネシア政府の対応
4 なぜモホタルが狙われたのか
5 ロームシャたちのその後
第Ⅱ部 それは人体実験だったのか――七三一部隊のワクチン戦略――
第5章 七三一部隊は何をしたのか――ハルビンからバンドゥンへ――
1 軍の要請によるワクチン開発
2 ハルビンに設置された関東軍防疫給水部(七三一部隊)
3 移動防疫給水部――石井のワクチン戦略の要
4 細菌戦の展開とワクチン開発
第6章 南方軍防疫給水部は何をしたのか――そしてパスツール研究所は――
1 日本軍によるパスツール研究所接収
2 破傷風事件の“真相”
3 スラバヤ海軍軍医部の人体実験――オーストラリアの戦犯裁判記録から
終 章 医師たちの戦後
1 インドネシアの医師たちと研究所の戦後
2 七三一部隊の医師たちはなぜ戦争犯罪の追及を免れたのか
3 戦後日本の医療の闇
4 コロナ禍とワクチン開発

あとがき
参考文献・インタビュー対象者ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

koji

12
歴史の中に隠れている事情を重点に記述する「裏面史」という言葉があります。私には裏面史好きの一面があり、一寸大袈裟ですが、私の批評精神の一面を占めています。閑話休題。本書は、第二次大戦下、多数のロームシャ(日本軍の現地労働力)に破傷風細菌を投与し死に至らしめたインドネシア破傷風事件の深層に迫った正に裏面史。冤罪で処刑されたモホタル医師、731部隊の暗躍、米国への人体実験データ供与の密約、戦後731首謀者石井四郎人脈の医学中枢への関与から薬害エイズ、コロナワクチン副反応の繋がり等等。読んでいて背筋が凍ります2023/07/29

にしの

3
ジャワでの毒性ワクチンによる集団破傷風事件をルポや文献で探る。こういう事件があったことは知らなかった。戦争中の医学の倫理観の欠如は嫌になる程事例にあげられるが、本事件もその一つだ。ロームシャへのワクチンに問題があったことのに、民族主義者のインドネシア人医師による「反日陰謀」による事件にする流れは、ソビエトによる粛清のようで悍ましい。2025/11/30

takao

3
ふむ2024/01/26

くまパワー

3
尊敬すべき研究である。1944年インドネシア破傷風事件と731部隊・ハルビン関東軍防疫給水部本部やシンガポール南方軍防疫給水部のつながりを解明。戦争犯罪の事実が公文書にわざと隠れて、戦史資料から糸口を見つけなければならない。また戦後裁判も問題があり、被害者が欧米人の場合には厳しく裁判が行われ、被害者がアジア人ロームシャの場合には無視された。その視点から見ると、「犠牲になった「マルタ」と「ロームシャ」に捧げる鎮魂の書」は極めて悲愴である。 2023/03/17

Ahmad Hideaki Todoroki

1
倉沢さんの追っかけとして著作はあらかた読んでますが、本書ほど出版までに長い年月がかかった著作はなかった。まさしく執念であり、頭が下がります。破傷風事件については不明な点が多すぎるためにこれまで追求されてこなかったわけですが(なにしろ軍政の中心にいた人間ですら事件の詳細を知らなかった)、それは結局のところ日本側インドネシア側問わず、想像力の欠如ではなかったか?長く読まれる本になって欲しい。2023/08/15

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