哲学がわかる 懐疑論 - パラドクスから生き方へ

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哲学がわかる 懐疑論 - パラドクスから生き方へ

  • 著者名:ダンカン・プリチャード/横路佳幸
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 岩波書店(2023/07発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 600pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000615815

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内容説明

真理と正しさへの関心が失われると,懐疑はたちまち過激となり,相対主義へと姿を変える.フェイクニュース,陰謀論……,危機の時代と言われる今だからこそ,正しく疑う実践の技を身につけよう.「これぞ!哲学」と唸らせるような説得力ある議論とともに,一人ひとりが懐疑の本質を心得たうえで自信を持って生きること,謙虚に生きていくことの大切さを伝える.

目次

日本語版への序文
謝辞
1 懐疑論とは何か
懐疑とは疑念を抱くことである.健全な懐疑論は特定の主張を問題にするが,過激な懐疑論は対象を大幅に拡張してしまう.過激な懐疑論は,社会や政治にどのような影響を与えるのだろうか.
懐疑論を導入する
真理・相対主義・誤りうること
知識とは何だろうか
懐疑論と不条理
2 知識はありえないのか
ある有名な哲学的論証によれば,私たちはいかなることも知りえない.身の回りの世界について知っているというとき,その信念を持つに足る認識的理由を私たちは持ち合わせているのだろうか.
懐疑論を振り返る
デカルト的懐疑論
あなたは水槽の中の脳なのだろうか
懐疑論と閉包性
過激な懐疑論が提起するパラドクス
3 知識を擁護する
G・E・ムーアやウィトゲンシュタインなど,哲学者たちは過激な懐疑論にどのように応答してきたのだろうか.その一つを選んで勝利宣言はできないが,匙を投げるのもまた時期尚早である.
過激な懐疑論的論証を振り返る
懐疑論と常識
懐疑論と文脈
懐疑論を逆手に取る
4 生き方としての懐疑論
よりよく生きるにはどうしたらよいのだろうか.過激な懐疑論はここでも破壊的な帰結をもたらす.しかし適度な懐疑論は,よりよい人生の邪魔にならないのか.いざ,知的な徳の議論へ.
過激な懐疑論,再び
知的な徳と悪徳
ピュロン派懐疑論
懐疑論,自信,そしてよく生きること
訳注
懐疑にまつわるエトセトラ ― 訳者解説
日本の読者のための読書案内
文献と読書案内
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

buuupuuu

18
生き方との関係から適度な懐疑論を擁護している第四章が面白かった。アリストテレス的な中庸の考え方からすれば、適度な懐疑論とは、過激な懐疑論と独断論との中間にある徳である。ピュロン派からすれば、それは探求し続けるという態度である。それは知的な謙虚さであり、自分の考えを説明し他者の考えに耳を傾けるという態度である。このような態度が近代以降、科学の発展へと繋がった。一時ポスト真実ということが言われたが、ネットなどを見ると実際には独断論が蔓延っているように見える。適度な懐疑論は今の時代にこそ求められる態度だろう。2023/04/30

愛楊

3
原著は2019年。個人的にはウィトゲンシュタイン『確実性について』における蝶番の仕方が良かった。そもそも閉包原理が知る/知らないの類ではないというのは、良い戦略に思える。このことは言語モデルを水槽脳に置き換えるとはっきりするだろう。閉包原理とは言語モデルにとって「自身がシャツを着ていることを知っているならば、自身が言語モデルではない」と言っているに等しいからである。とても良い本でした。2025/02/05

バケツ

3
過度な懐疑論とどう向き合うか。初めの方にある相対主義への一刀両断っぷりと、最後の方にある知的徳についての話が良かった。2023/07/24

くり坊

2
巻末にある「日本の読者のための読書案内」が役に立つ。わたしは、本書では、第4章「生き方としての懐疑論」を、ささっと興味のある箇所だけ読んで、この読書の引き続きは、第4章にあった「幸福と人生」という項目の、巻末に紹介されている5冊の本を、新刊本か、図書館の蔵書かで探して、読んでみようと思っています。2023/08/27

ディス

0
◯。過激な懐疑論が幅を利かせる場面も少なくない今、俺たちはそれにどう立ち向かえばいいのか⋯。本書ですら何もかもを懐疑の対象にする立場を論破はできないんだけど、でもその致命的な矛盾(当たり前の事だが)を指摘しつつ、しかし適度な懐疑は必要であるとし、自己不信や極端な相対主義にならず、懐疑しつつも良く生きる方法へと進むにはどのようにすればいいのか?が、哲学の本にしては分かりやすい範囲で書かれていると感じた。2025/04/15

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