岩波ジュニア新書<br> 新種発見物語 - 足元から深海まで11人の研究者が行く!

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岩波ジュニア新書
新種発見物語 - 足元から深海まで11人の研究者が行く!

  • 著者名:島野智之/脇司
  • 価格 ¥1,232(本体¥1,120)
  • 岩波書店(2023/07発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 330pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784005009664

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内容説明

発見の裏には,たくさんのドラマがある! 子どもの頃から追い求めて,偶然見かけて――ちょっとした疑問が,深い探究へとつながっていく.舞台は身近な環境から遠く危険な未踏の地まで.虫,魚,貝,鳥,植物,菌など未知の生物との出会いにワクワクしながら,研究者たちの歩みを追体験.分類学の基礎も楽しく身につく,濃厚な入門書.

目次

はじめに
第1章 コケのじゅうたんのなかで生きる、誰も知らない虫たち ジャゴケシトネアブとイカワタカネコバネ(今田弓女)
多様性を秘めたミクロな森
進路は「昆虫学者」
予想外に幕を開けた研究生活
太古のガの暮らしを探る
見習いフィールドワーカーになる
食性の進化という壮大な歴史を追う
誰もやっていないことをおもしろくする
コケのなかにトンネルを掘るシトネアブ
初めての記載論文
日本地図の空白を埋める旅
博士になってから
第2章 既知種をよく見たら新種だった! チュウガタマルケシゲンゴロウ、オニギリマルケシゲンゴロウ(渡部晃平)
私が発見した新種
普通の昆虫少年
運命の出会い
昆虫を殺すのがつらい
後悔をバネにして
学芸員へのあこがれ
脱サラからの学芸員
現実は甘くない
大発見の知らせ
ゲンゴロウの島で起きた奇跡
種を特定する
外国の大家へ相談
新種チュウガタマルケシゲンゴロウ
新たな隠蔽種
本物はどっち?
苦渋の決断
研究は続く
第3章 冬虫夏草少年、長じて菌根菌の起源にせまる ウィノシチュニカ・インジェンス(山本航平)
沼にはまる
殺虫きのこ、冬虫夏草
恩師との出会い
地中にきのこをつくる、地下生菌
冬虫夏草と地下生菌の、切っても切れない関係
巨大な胞子
エンドゴン、再び
共生する樹木と菌類
挽回のチャンス
菌根菌の異端児、アツギケカビ目
半世紀越しの証明
「超」巨大な胞子の新種
最古の菌根菌かつ地下生菌?
第4章 生まれて初めて見たかたつむりが45年後、新種に チョウシュウシロマイマイ、クサイロクマノコガイ、そしてサザエ(福田宏)
今も現役! 保育園時代の標本
初めて出会うのに懐かしい
生まれて初めて見たかたつむりの正体
山口県の貝類文献の名著
じつは新種だった!
保育園時代に見出した、もう一つの新種
サザエもホモニムのせいで新種
近所どころか、室内で見つかる新種
永遠に終わらない夏休みの宿題
第5章 赤いボウズハゼの謎 キジムナーボウズハゼとブナガヤボウズハゼ(前田健)
赤いボウズハゼとの出会い
迷宮入り
どんどん見つかるボウズハゼ
赤いボウズハゼとの再会
フィリピンへ
パラワン島の赤いハゼ
結論は?
論文の発表 キジムナーとブナガヤ
残された多くの謎 ボウズハゼ類の謎の解明に向けて
第6章 遺跡でみつけた恐竜の新種!? センカクアホウドリ(江田真毅)
遺跡と恐竜と私の思いこみ
「アホウドリの骨」との出会い
礼文島周辺から消えたのはどの種?
古代DNA解析
尖閣諸島のアホウドリはどこから来たのか?
DNA解析から考えるアホウドリの歴史
謎解きの鍵は、遺跡出土のアホウドリ!
もしかして、別種!?
尖閣諸島から、デコちゃんがやってきた!
尖閣諸島からきたアホウドリたち
最後の1ピース
新種発見物語!?
第7章 新種、また新種。いつになったら終わるのか? 東南アジアの植物の新種140種超(田金秀一郎)
東南アジアに植物が多様なワケ
地域の植物相の調べ方 植物インベントリ
植物標本よもやま話
いざ東南アジアへ!
調査で再確認、東南アジアの植物多様性
調査は行くだけでも大変!
楽しい同定作業
植物の新種を記載する
より多くの新種を記載するために
第8章 探検する生物学・海底洞窟で「新種」に出会う イラブドウクツウサミミゴカイ、ウリガーテナガエビなど(藤田喜久)
陸域での洞窟探検 ウリガーテナガエビの発見
「備え」が大切! 海底洞窟研究にとりくむ
続々見つかる新種や珍種
南の島のクリスマス・イルミネーション? 新種の光るクモヒトデを発見!
「見えない」動物を探す イラブドウクツウサミミゴカイの発見
おわりに
第9章 深海には変わった生物しかいないのか? ネオレパス・マリスインディカ、ツノツバサゴカイなど(渡部裕美)
じつは行かない? 深海生物を調べる方法
深海に潜る
深海温泉にすむ生物たち
足の裏で子育てする貝
新たに繁栄する「生きた化石」
深海の方がフツウ?な生き物
最終章 新種発見から、種の絶滅と保全を考える トキウモウダニとリュウジンオオムカデ(島野智之・脇司)
ほとんどの生物には、学名が付いていない
日本でトキが絶滅
トキにだけ付くダニ
島野委員、「召喚」される。そして事件が
脇先生、「召喚」される
トキの自然復帰、ダニはどうなった?
トキのダニを、永遠に記録するために
日本最大の陸上節足動物「ヤンバルオオムカデ」
インターネットで、高値で売買
立ちはだかる難問
いよいよ学術誌に論文を送る
なぜリュウジンと名付けた?
〔知識メモ〕(1)種とは何か?/(2)学名とは何か?/(3)論文・記載とは何か?/(4)タイプ標本とは/(5)隠蔽種とは何か?/(6)進化・種分化とはどういうことか?/(7)系統樹とは何か?/(8)遺伝情報とは何か?/(9)絶滅したけど、新種発見?/(10)「○○屋」とは?
執筆者紹介

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tom

19
「新種発見」という言葉、この言葉に惹かれて借りて来る。私が大好きな昆虫学者の小松貴さんや丸山宗利さん、彼らは新種記載へのパッションを繰り返し語っている。分類学者なら新種記載は勲章、パッションを語るのは当然のこと。著者たちは、こうやって見つけた、ターゲットをこんなふうに絞った、このネタだったら・・と、パッションを実現するための熱量と冷静さを語る。楽しい本でした。でもね、この本を読んで、新種発見のパッションを受け止めることができるジュニア、どれくらいいるのだろう。これが、読みながら思ったことでした。2023/05/07

Nao Funasoko

13
専門は異なっていても基本は皆同じなんだな。朝ドラ『らんまん』同様に分類学の重要性がよくわかる。ワタシもジュニア時代にこの本に出会っていたならば、きっと学者の道に進んだに違いない。 :-)2023/05/10

くろじら

4
新種を見つけた瞬間の心躍るエピソードよりも,そうした新種を見つけるような人になっていったプロセスの話が多いかな,と思った.話の面白さは章によってまちまちではあるけれど,いろいろな生きものについての話題なので飽きさせない内容だったと思う.2023/04/20

豆苗🌱

3
自分の思っている以上に未記載種がいることに驚かされた。意外と自分が普段生活している中でも、知らず知らずのうちに新種の虫、植物、魚に出会っている可能性があると思うと探究心はすごい湧いてくる。しかも、地球上の生物種の14%しか見つかっていないっていう説があるらしい。もしかしたら自分が名付け親になる日がくるかも?2023/11/12

takao

2
ふむ2023/03/30

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