読む・打つ・書く 読書・書評・執筆をめぐる理系研究者の日々

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読む・打つ・書く 読書・書評・執筆をめぐる理系研究者の日々

  • 著者名:三中信宏【著】
  • 価格 ¥3,080(本体¥2,800)
  • 東京大学出版会(2023/07発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 840pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784130633765

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内容説明

“理系の本”をめぐるユニークで熱きメッセージ
ようこそ、みなかワールドへ! 理系研究者を生業としながら、数多の本を読み、新聞やSNSなどさまざまなメディアで書評を打ち、いくつもの単著を出版してきた〈みなか先生〉からの〈本の世界〉への熱きメッセージ。さあ、まずはたくさん本を読もう! 東京大学出版会創立70周年記念出版。


【主要目次】
本噺前口上 「読む」「打つ」「書く」が奏でる “居心地の良さ”

プレリュード――本とのつきあいは利己的に
1 読むこと――読書論
2 打つこと――書評論
3 書くこと――執筆論

第1楽章 「読む」――本読みのアンテナを張る
1-1 読書という一期一会
1-2 読む本を探す
1-3 本をどう読むのか?――“本を学ぶ”と“本で学ぶ”
1-4 紙から電子への往路――その光と闇を見つめて
1-5 電子から紙への復路――フィジカル・アンカーの視点
1-6 忘却への飽くなき抵抗 ――アブダクションとしての読書のために
1-7 “紙” は細部に宿る――目次・註・文献・索引・図版・カバー・帯
1-8 けっきょく、どのデバイスでどう読むのか

インターリュード(1)「棲む」―― “辺境” に生きる日々の生活
1 ローカルに生きる孤独な研究者の人生行路
2 限界集落アカデミアの残照に染まる時代に
3 マイナーな研究分野を突き進む覚悟と諦観

第2楽章 「打つ」――息を吸えば吐くように
2-1 はじめに――書評を打ち続けて幾星霜
2-2 書評ワールドの多様性とその保全――豊崎由美『ニッポンの書評』を読んで
2-3 書評のスタイルと事例
2-4 書評頻度分布の推定とその利用
2-5 書評メディア今昔――書評はどこに載せればいいのか
2-6 おわりに――自己加圧的 “ナッジ” としての書評

インターリュード(2)「買う」――本を買い続ける背徳の人生
1 自分だけの “内なる図書館” をつくる
2 専門知の体系への近くて遠い道のり
3 ひとりで育てる “隠し田” ライブラリー

第3楽章 「書く」――本を書くのは自分だ
3-1 はじめに――“本書き” のロールモデルを探して――逆風に立つ研究者=書き手
3-2 「読む」「打つ」「書く」は三位一体
3-3 千字の文も一字から――超実践的執筆私論
3-4 まとめよ、さらば救われん――悪魔のように細心に,天使のように大胆に
3-5 おわりに――一冊は一日にしてならず……『読む・打つ・書く』ができるまで

ポストリュード――本が築く “サード・プレイス” を求めて
1 翻訳は誰のため? ――いばらの道をあえて選ぶ
2 英語の本への寄稿――David M.Williams et al.,The Future of Phylogenetic Systematics
3 “本の系統樹” ――“旧三部作” から “新三部作” を経てさらに伸びる枝葉

本噺納め口上 「山のあなたの空遠く 『幸』住むと人のいふ」

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

90
進化生物学の研究者が、読む(読書)・打つ(書評)・書く(執筆)ことについての熱い思いを語るユニークな一冊。「書く私」と「読む私」と「評する私」はいつも一心同体で、心置きなくくつろげる「遊び場」としての本の世界がある。著者は、自らの体験をもとにして、昨今の研究環境の著しい劣化を嘆く。研究者が自由になれる「糊しろ」や「溜め」がなくなり、読む・打つ・書くに打ち込める「深いフトコロ」が失われ、「知識の断片化と体系化」という課題に直面していると言う。「研究者である前に学者であるべき」という強い思いが伝わってくる。2021/08/12

tamami

47
先日読んだ三中先生の『読書とは何か』の面白さに引かれて、二匹目の泥鰌を掬ったつもりが大鰻であった、という次第。こちらの獲物は、理系のしかも専門書が多くを占めていて、齧りつくのには少々難儀をする。学術書の読み方、書評や一本を成す方法について、具体的に例示されていて「書く人」の裏事情も窺えて面白かった。著者の本では、索引・文献リストが完備されていて、読む人の読書心・探究心をくすぐる。その文献リストに、著者の新書本『分類思考の世界』があり、もしやと思って書棚を探ると現物があった。僥倖か、はたまた○○の始まりか。2022/02/05

とある内科医

33
図書館より、気になっていた著者だった。何気なく手に取ってみたが、ページを捲る手が止まらず当直中に一気読み。 自分とは読む、打つ、書くレベルが全く異なるものの、いずれも利己的な作業と捉えている点、以下の言葉には一方的に共感した。 「本は余さず読み尽くす」「いつまでもそこに本があると思うな」 「息を吸えば吐くように、本を読めば書評を打つ」 「自分で書いた本は信頼できるレファレンスとしてあとで利用できる」 特に書評に関する議論は読んだことがなかった。実名、匿名いずれも書評風に書いているので考えさせられた。2021/11/02

緋莢

15
図書館本。<ある本を最初から最後まで読み切るとか雑誌のバックナンバーを全部読むという〝すべて読み”は、私の研究者としての育ちにとっては最良のトレーニングだった> <本を読んだら必ず書評を打つように心がけよう>、<私が本を書くときにもっとも重視している点は「自分が読みたい内容の本を自分で書く」ということです>。タイトルの読む、打つ、書くについて「プレリュード」では、このように書かれており、その後、さらに詳しくそれぞれについて 掘っていきます(続く2024/04/06

あつもり

8
農林水産省の独法研究所に勤務されている「マイナーな分野の研究者」(P.90)による、「本の世界」という自宅でも職場でもない「"サードプレイス"」(P.297)での楽しみ方指南、エール。本を読んでこれはと思ったら必ず記録をつけること。その記録は自分のためにすること。書くことは知識の体系化に役立つこと。その習慣を長続きさせると、その記録はほかのどんな検索サイトよりも自分にとって役に立つものになること。毎日の日課に書くことを織り込むこと。大いに刺激されました。2021/07/11

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