内容説明
「夜這い」「盆踊りでの乱交」など戦前まで行われていた民俗文化の由来とは? しばしば言われる「性のタブーのない日本」ですが、本当に日本は性に大らかな国と言えるのか。2024年の大河ドラマ『光る君へ』の主役・紫式部と『源氏物語』にも言及しつつ、性愛、恋愛、男女の歴史をひもといていきます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
93
「光る君へ」の今年、こういう切り口の日本史が話題になるかもしれない。江戸期に儒教的な男尊女卑の価値観が成立するまで、日本社会は、総じて性に大らかであり、女性の地位が高かった歴史があると言う。女性天皇、妻問婚から招婿婚へ、外戚の権威、女人入眼(北条政子、卿二位)などの例を挙げて、女性の活躍が紹介される。後半は、遊女、梅毒、男色などに話題が飛び、「性愛の日本史」のようになるのはご愛敬。ただ、「源氏物語」のような上流の世界だけでなく、網野善彦先生や宮本常一先生が描くような庶民の営みの日本史を忘れたくないと思う。2024/02/12
Ryosuke Kojika
7
恋愛というより家の話。著者の問題意識として名もなき人々への眼差しがあり、職場の環境もある中でこのようになっているということに歴史学の限界があるようなないような。文学や民俗学的なアプローチでどこまで迫れるのかという感じか。2023/11/08
nnnともろー
2
古代から近世まで。大らかだった性愛が儒教的な価値観で変わっていく。2023/09/22
ユチコ
2
恋愛、というよりは結婚制度や性愛に関する歴史の変遷にまつわる話。ライトでカジュアルな話題が多くて読みやすい。江戸時代以降の、いわゆる遊女のかたの地位の低下の一つの原因として外国よりの梅毒の流入をあげているのが個人的に新鮮でした。2023/07/29
めんこ
1
「光る君へ」が始まったので読んでみた。色々初めて知ることも多く、楽しくさらりと読める。梅毒の話は知らなかった。とりあえず源氏物語を現代語訳で挑戦しようかな。(原文は無理)2024/01/18