創元推理文庫<br> 地球の中心までトンネルを掘る

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創元推理文庫
地球の中心までトンネルを掘る

  • ISBN:9784488568054

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内容説明

代理祖父母派遣会社のエースとして、核家族の子どもの「ばあば」を演じて報酬を得ている女性(「替え玉」)。自分の中の発火遺伝子に怯えながら、製菓店の娘に恋する青年(「発火点」)。折りヅルを用いた遺産相続ゲームに挑む一族の男たちと、その審判を務める孫のぼく(「ツルの舞う家」)。大学を卒業し、何者にもなれず生きてきたある朝、ふと裏庭にトンネルを掘り始めた三人の若者(表題作)。――とびきりヘンで、優しく、がむしゃらな人々を描いた11の物語。シャーリイ・ジャクスン賞と全米図書館協会アレックス賞を受賞した珠玉の短編集。/【目次】替え玉/発火点/今は亡き姉ハンドブック:繊細な少年のための手引き/ツルの舞う家/モータルコンバット/地球の中心までトンネルを掘る/弾丸マクシミリアン/女子合唱部の指揮者を愛人にした男の物語(もしくは歯の生えた赤ん坊の)/ゴー・ファイト・ウィン/あれやこれや博物館/ワースト・ケース・シナリオ株式会社/謝辞/特別エッセイ=津村記久子/解説=倉本さおり/収録作原題・初出情報

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ちゅんさん

51
すごくいい短編集だった。少し(かなり?)世間の標準からズレた登場人物たちの苦悩や孤独、繊細な優しさなどを奇想天外なアイディアで読ませてくれる。この本を読むと人の善意や良心を信じたくなる。これからも一生懸命に誠実に生きようと思わせてくれる素敵な一冊。2025/01/10

tom

26
いかにも日常というふりをしながら書き進めて、そこに現れるのは、微妙に非日常、あるいは極端に非日常という空間。これが独特な面白さを産んでいるという読後感。ただし、面白いと思ったのは、「モータルコンバット」のヒリヒリとした少年二人と「あれやこれや博物館」の男と女の感情。残念ながら、表題作は私には、何なのさという感じ。これは好みの問題だと思う。「あれやこれや」で働く女性主人公の語りは、しみじみ良いなと思ったのでした。2024/08/24

mimosa

20
さも普通のことのように奇妙な人たちを描くのが上手な作家さんだな。どの短編も登場人物たちは結構な問題を抱えているんだけど、悲壮さはあまり感じず、どこかふわふわとしているのが心地良かった。特に表題作と「あれやこれや博物館」が好き。2025/06/12

ヘジン

14
『リリアンと〜』がよかったのでこちらも。風変わりな設定に置かれた不器用な人達の物語を通して、人生の真理を垣間見たり、希望を持てたりするような話がたくさん。『替え玉』たとえ偽物の関係でも期間限定でも、最初から何もなかったよりは意味がある。『ツルの舞う家』カオスの最後の最後にふと胸が熱くなる文章を持ってこられて、あーやられた。『モータルコンバット』と『ゴー・ファイト・ウィン』自分はヤングアダルト小説も恋愛小説ももはやさほど好まないが、これはとてもよかった。津村記久子さんの特別エッセイも収録。本書を大絶賛。2023/12/13

魚子

5
ぐるぐる考えすぎて情熱や思いやりが違う方向へ向かってしまう登場人物たちの人間味。彼らは間違いなく“生きづらい”んだろうけど、どうしたって魅力的。とてつもなく愛おしいし、彼らを好きだと思える自分でよかった。2024/01/05

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