内容説明
「人狼って推理するより、全員殺した方が早くない?」「そんなわけなくない?」
人に化け人を喰う怪異『人狼』が跋扈し、その魔の手に抗い『異端審問官』が戦いを繰り広げるイギリス。日雇いで働くジョンは仕事の最中、人狼を狩る異端審問官の少女シャーロットと出会い――そして殺されかけた。間一髪で本物の人狼を導き出したジョンはその観察眼を買われ、『推理しない』審問官シャーロットとバディを組むことに!? 最強の審問官を目指すシャーロットの猪突猛進ぶりに振り回されながら、ジョンは街の平和を脅かす人狼を暴き出す――!
思考ゼロ秒の人狼狩り少女と紡ぐ人狼×推理×バトルファンタジー、開幕!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
36
人に化け人を喰う人狼が跋扈し、異端審問官が戦いを繰り広げるイギリス。日雇いで働くジョンが異端審問官の少女シャーロットと運命の出会いを果たす推理バトルファンタジー。彼女の脳筋思考でいきなり殺されかけて、本物の人狼を導き出した観察眼を買われて助手としてバディを組むことになったジョン。最強の審問官を目指すシャーロットの猪突猛進ぶりに振り回されながら、ジョンの病弱な妹や彼女の父に対する複雑な想い、世界の背景も掘り下げつつ、葛藤を乗り越えて人狼の王の陰謀を阻止すべく熱い戦いを繰り広げる展開はなかなか良かったですね。2023/07/23
TERU
12
人に化け人を喰う怪異『人狼』が跋扈するロンドン。 日雇いで働くジョンは仕事の最中、人狼を狩る異端審問官の少女・シャーロットと出会い――そして殺されかけた。 間一髪で本物の人狼を導き出したジョンはその観察眼を買われ、推理をしない審問官シャーロットとバディを組むことになるのだが... 本作は人狼ゲーム要素を盛り込んだバトルアクション作品。ミステリというよりほんと人狼ゲーム的な駆け引きが繰り広げられていくのですが、全体的にバトル要素がかなり強いです。2023/08/17
真白優樹
12
ヴィクトリア朝が終わらなかった近未来のイギリスで、日雇い労働者の少年と、人狼を狩る異端審問官の少女が出会い始まる物語。―――夢とは違うこの力でも、今こそ相棒を護るために。 猪突猛進な少女に振り回されつつ推理でその猛進に方向性を与える中、二人で共に成長していく物語であり、中々にいかした登場人物達が暴れ踊る、心踊る熱さがある物語である。一つ手柄を出しても、それを明かすわけにもいかず、それでも新たな可能性を。果たしてこの二人は目標である騎士にたどり着くことは出来るのか。 次巻もあってほしいものである。2023/07/27
はじめまこと
9
推理方法とか文体とか用語とかいちいち人狼ゲームに寄せてて良いですね。 戦闘描写のテンポが良い。 テンポの良さは全体通してだけど戦闘描写は特に上手い。 妹が可愛いです。 ひらがなを多用する妹はかわいいというのは絶対の真理ですからね。2023/08/04
リク@ぼっち党員
6
人狼ゲームに探偵とバディモノを組み込んだ一作。探偵役が絶対的に決まっていて、容疑者が少数なら全員吊るすのも一考の余地があるかもしれない。バカが下手に耳を貸して騙されるよりは被害が抑えられそうだし。だけど探偵としての地位は間違いなく剥奪されるな。シャーロック・ホームズのオマージュなので戦闘描写も多め。肝心の推理は助手に丸投げと潔い。推理モノというよりはアクションとして読んだ方が爽快感が得られそう。2023/08/05