内容説明
第6回世界文学賞(韓国)受賞!
僕は“リストラ”のコンサルタント。
ごく平凡なサラリーマンの殺し屋だ。
ぼくの書いたシナリオに従い、会社は暗殺を実行する――
僕は殺し屋だ。といっても、毎日キーボードを叩くだけの殺し屋だ。僕は会社の依頼を受け、“顧客”に小さな不幸が重なり、事故や自殺で亡くなる筋書きを描く。会社はシナリオに沿って暗殺する。その自然な死は誰にも疑われず、僕は高給を受け取る。リストラのコンサルタントを名乗る僕にとって、唯一恐ろしいのは全てを操る会社の存在だ。会社が僕に何をしたか、これからお話ししよう――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
猿吉君
67
現代の若者を皮肉たっぷりに書いている裏に絶望が・・・と暗くなりそうですが作風的にはポップで展開も早くてどうなるかドキドキしながら読みました。①登場人物が少ないのに全く飽きさせない、主人公の独白がメインです。②題名通りに暗殺のコンサルタント、破格の給料です。③コンゴへ行く辺りで善の方へ行くと思いきや・・・。④結末にはちょっとにびっくりしました、個人的には違う方が良かったです。点数:75/100→ミステリーというよりも一種の犯罪小説、癖があるので万人にはお奨めできませんが読後これもアリかなと妙に納得しました。2023/11/28
ナミのママ
54
タイトルから想像していたミステリーと違い、哲学的で気難しい作品だった。登場人物は少ない。主人公は暗殺のシナリオを描く仕事をしている。そして会社に雇われていて破格な収入を得ている。主人公の葛藤が描かれているが、どこか未熟で不完全でどうも好きになれない。宗教的な解釈についてはぁ?という感じ。自分が主人公と年齢が近く会社員であれば受け止め方も違ったのだろう。最近何冊か読んだが、韓国作品とは相性があわない気がする…。【第6回世界文学賞(韓国)】2023/10/08
Kurara
35
★2 気になってた韓国本。暗殺をコンサルする僕。なかなかの追い詰めようにこれが続くの?と思っていたもし自分が会社に殺されたらとなり、コンゴへ行き最後はキリスト教徒に。うーん、なんか残念2024/06/07
しゃお
27
会社の指示で暗殺に関するプロットを書く事を生業とする主人公。その主人公が窮地に陥って・・・というようなのを想像していたら違いました。確かに主人公自身は自身と向き合うようになり、ある意味その生き方に関して窮地に陥っているのかも。そこに描かれるのは現実を生きる上での諦観、達観など、人の生き方。誰かの命は誰かのひとつの行動の結果により救われるも失われも。それを「仕方ない」と受け入れられなければ生きていけない事に気付き生き続けるのは、やはり哀しいものかも。2023/08/11
羊山羊
24
一気読み! 暗殺のシナリオを作る「僕」が、仕事で経験してきたことを過去形で語る1冊。ロジカルに並べ立てられるもっともらしさと臨場感にあふれる暗殺の流儀は「ゴーストマン」を思い出す。同時に未熟な青年である主人公が徐々に大人になっていく青春小説の要素も兼ね備えていてすべてが読みどころ満点の1冊。また、大きな特徴の一つが固有名詞の少なさ。これが更に本著の読みやすさを後押しするだけじゃなく、→2023/10/18