ちくま文庫<br> 子どものことを子どもにきく

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ちくま文庫
子どものことを子どもにきく

  • 著者名:杉山亮【著者】
  • 価格 ¥715(本体¥650)
  • 筑摩書房(2023/07発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480438485

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内容説明

父親が息子に年に1回インタビューをする――3歳から10歳になる子どもの成長をとらえた新鮮な試み。1年ごとに新しい価値観と言葉を獲得していく過程をこれほど豊かに切り取った記録があるだろうか。意表をつく受け答えは驚きと笑いの連続。知る人ぞ知る子育てエッセイが待望の復刊。ちくま文庫化に際し、刊行から20年以上を経て、著者と息子・隆さんの現在と当時を語る「あとがき」を収録。

目次

はじめに/I 八年間のインタビュー/1 〈三歳の隆さん〉神を語る──一九八九年六月/(1) インタビューの前に/(2) インタビュー/字が読めなくても困らないよ/夜。こわくはないよ、でもね/はじめて食べるものっておいしい/男は父が生み、女は母が生む/神様の素顔は/神と悪魔は仲がいい/人間でよかった/(3) インタビューを終えて/2 〈四歳の隆さん〉仕事を語る──一九九〇年五月/(1) インタビューの前に/(2) インタビュー/パン屋さんじゃなくてレストラン/ん、インドだよ/隆の好きなものだよ/作るのめんどうくさいもんね/好きなお仕事はお金もうかる?/(3) インタビューを終えて/3 〈五歳の隆さん〉迷えるときを語る──一九九一年六月/(1) インタビューの前に/(2) インタビュー/お昼寝がいやだ/おとうさん、前、約束したでしょ/泣いてる場合じゃないって思った/遊んでる場合じゃないって思ったもの/(3) インタビューを終えて/4 〈六歳の隆さん〉保育園を語る──一九九二年六月/(1) インタビューの前に/(2) インタビュー/えーと誰だっけ?/雨の日も散歩/でも、ぼくは代表だし/先生に言いに行った/うん。でも、順番に言った/子どもがかしこくなるところ/(3) インタビューを終えて/5 〈七歳の隆さん〉お金を語る──一九九三年六月/(1) インタビューの前に/(2) インタビュー/どうしてたった四三〇〇円しかもらえないの?/それじゃあ、うちと同じだよ/でもJリーグが始まったから/あまり買わない。ぼく、ためてるもん/もうあきちゃったんだって/だって、子どもってすぐボールなくすじゃん/おとうさん、来年もやろうね、ウッシッシ/(3) インタビューを終えて/6 〈八歳の隆さん〉スポーツを語る──一九九四年六月/(1) インタビューの前に/(2) インタビュー/ゴールの前にはたいていキーパーが三人くらいいる/水曜日は「チャレンジタイム」だからだめ/クラスの子はトリピーばかりだからつまんない/大きい子が「オフサイド!」って言うからわかる/ぼくはゴールのシュゴジンだよ/秋山いなくなっちゃったもんね/うーん、痛くない方がいい/一人でどこまでも歩いて行ってみたい/(3) インタビューを終えて/7 〈九歳の隆さん〉教科書を語る──一九九五年六月/(1) インタビューの前に/(2) インタビュー/うん、あげるほう。しかも指されやすい体質/今はマル読みの方が多い/紙芝居の絵一枚になるくらいの長さが大きい段落ひとつぶん/道徳は心の授業だから/おひなさまのあられの形/「あぶらかたぶらぁ!」のほうが言いやすくていいと思う/そうじゃなくて。八〇円のジュースはないの/それって四年生を馬鹿にしてない?/漫画をふやす!/(3) インタビューを終えて/8 〈一〇歳の隆さん〉来た道をふりかえる──一九九六年七月/(1) インタビューの前に/(2) インタビュー/「みてこうもん」ていうの/お金について話したところからは覚えてる/ぼくはずーっとぼくなんだけど/(3) インタビューを終えて/II 子どもと対話する意味──インタビューをして考えたこと/1 聖地サールナートで考えたこと/2 子どもはブッダに似ている/3 子どもインタビューのすすめ/4 インタビューの勘どころ/あとがき/新潮OH!文庫版のためのあとがき/ちくま文庫のためのあとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こうすけ

20
自分の息子“隆さん”に、3歳~10歳まで、8年間インタビューをおこなったのをまとめた本。子どものことを、子どもに聞いています。その日食べたご飯が人生ベストフードになる隆さんがかわいい。字も読めず、いま何時かもわからず、自分がどこにいるのかもわからないのに、毎日楽しく生きていることがいかにすごいことか、子どものたくましさに気付かされる。あとがきにあった15歳の隆さんの話が泣けた。子どもはあっという間に親のしがらみなど振り切って、するすると遠くに行ってしまう。2022/11/20

あまくち

6
子どもへのインタビューも面白いが、後半の、子どもに聞くことについての作者の考察も面白い。ちくま文庫版では2つのあとがきが掲載されており、インタビューを受けた息子さんの10代の頃と、30代の近況が読めるが、それがまた面白い。なんてことはない日常の会話こそ記録に残すことで、それが人生という長い旅のなかでどのような意味があったのかがわかる。2024/09/15

uchiyama

6
面白くて、何箇所かは声に出して笑いました。子どもはピュア、という大人が下しがちな判断は、決めつけが大抵暴力的であるように、人の可能性を制限するものですが、そこからやんわりと離れる姿勢、どんな感情も否定しないで、でも、自他への強制とならないようにする方法、「子どもと大人」だけではなく、人と「いい関係」を作っていくための試みの実例が、示されていて。その試行錯誤が、「隆さん」の側にもあることに気付かされるのが感動的。「ん」もちゃんと採録されてて。何より凄いのはIIの考察。こんな人が児童書周りにいること、嬉しい。2023/12/31

魚子

4
大好きな“名探偵シリーズ”の作者杉山さんが、ご自身の息子さんが3歳から10歳になるまでインタビューをつづけた記録。とにもかくにも面白い。おさない隆くんがほんとうにかわいい。子どもってなんでこんなにも無限大…。彼らの頭の中はどうなっているんだろう?やはり彼らには敵わない。学校教育のあり方についての杉山さんの思いにも考えさせられた。これはなにも教育現場だけが抱えることではない、大人であるわたしたちは、子どもたちに真摯に接する義務があるのかもしれない。2025/03/15

gero

4
神様は頭の中に100人いて体操のことを考えている。悪魔も頭の中に100人いてリズムのことを考えている。そしてドラえもんもいる。飛行機は空き缶を集めて脱色して白くし、のりでつなげて作る。家をいっぱい作って電気を食べさせることで飛行機は光る。保育園は昼寝の時間はないほうがいいし先生もいないほうがよりよくなる。休み時間のサッカーではキーパーがたいていは3人ぐらいいる。 子供がいる親にインタビューという画期的な楽しみを教えてくれる本です。世代が近いおかげか、たかしくんの言っていることが結構わかります。2024/06/22

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