今村 均 - 敗戦日本の不敗の司令官

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今村 均 - 敗戦日本の不敗の司令官

  • 著者名:岩井秀一郎
  • 価格 ¥999(本体¥909)
  • PHP研究所(2023/07発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784569855080

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内容説明

苦境を超えて、部下を守り抜く――指揮官の資質と能力とは? 太平洋戦争末期、ラバウルで10万人もの軍人の命を守り、終戦後も、部下たちの心に寄り添い続ける――不滅の仁将の智勇を、現代の視点で捉え直した力作評伝 保阪正康氏推薦! [本書のねらい]●太平洋戦争の敗戦要因についての研究は、歴史家だけでなく、専門分野を超えて、これまで精力的に進められてきた。 ●だが、その失策にばかり気をとられ、すぐれた能力を発揮した軍人たちがいたことを我々は忘れるべきではないだろう。 ●指揮官としての責務を果たしつつも、時局や組織に振り回されず、人としてあるべき姿を求め続けた指導者たち――。 ●その人間観や指導観に学びの視線を向ける良識が、グローバル化の荒波に飲み込まれ、経済敗戦の様相が色濃くなってきた令和の日本人に求められているのではないか。 ●評伝のスタイルをとりつつ、リーダーに必要な条件について、有益な示唆を与えてくれる「不敗」の名将「今村均」の真の姿を、本書が描き切る。 〈目次構成〉●序 国破れて名指揮官あり――今村均という陸軍大将/敗戦と没落、戦時期の日本と令和日本/現代の視点でみた「今村均」の資質と能力 ●第一章 文学少年から軍人へ――幼少期/今村の人格陶冶/小学校時代/軍人へ ●第二章 昭和動乱の中で――士官学校への入学/居眠り/厳しい生活と友情/明治の終わり/陸大受験/真相 ほか ●第三章 指揮官としての成長――連隊長へ/今村と派閥/今村の反省/日中戦争勃発/戦場へ/ノモンハン事件/蒋介石の反撃/今村の将器 ほか ●第四章 大東亜戦争はじまる――賓陽作戦/教育総監部本部長/「戦陣訓」の後悔/第十六軍司令官/今村と海軍/蘭印降伏/「今村軍政」/中央からの批判/「ガ島」の攻防/玉砕か撤退か ほか ●第五章 祖国の敗北――自給自足に向けて/海軍との連携/自活/地下要塞/敗戦を迎える ほか ●第六章 果たしきった責任――敗戦からの戦い/オーストラリアとの裁判/死を免れる/死生観の変化/日本、そしてマヌスへ/果たしきった責任/先見の明/修養を忘れなかった人 ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

60
簡潔な評伝。本人の自伝に多くを依拠し、その中で自身の性格をネガティヴにとらえ、歎異抄と新約聖書を座右それを正す修養を重ねていたそうだ。このあたりに派閥から距離を置く軍人今村均の本質があるのかも。ラバウルでの3年弱のあいだ、当初(まだガダルカナル戦が続いていた頃)から食糧などの自給体制を構築していたという話は初めて知ったが、兵を無駄死にさせないという哲学が貫徹されていると思う。しかしその彼が原稿を起草したのが悪名高き「戦陣訓」とは。例の部分、自身の思いとは真逆に捉えられ用いられたのは無念だったろう。2023/10/30

ジュンジュン

15
僕が子供の頃は、軍人の伝記にはなかなか出会えなかった。それだけに、著者や大木毅氏の登場は嬉しい限り。なんとか名前ぐらいは知っている程度の知識しか持ち合わせていない僕にとっては、読みやすさも◎。内容はやや甘いかなと感じたが許容範囲内。2023/10/23

ユビヲクワエルナマケモノ

9
「名将」として名高い今村が自身の欠点として「性急短気」を挙げていたのはまるでイメージと違っていた。それは彼が生涯に渡って修養を怠らなかった人物だったからで、その欠点を補って余りある魅力を持つ指揮官として活躍できたのだろう。それだけに、序盤に登場する水木しげるが『総員玉砕せよ!』で描いたズンゲンでの玉砕事件や、今村が作成に関わった(これは意外だった)戦陣訓で多くの自決者が出たことについて、今村がどのように考えていたのかの言及があれば、なお彼の評伝として説得力があったのではないかと思う。2023/09/11

てら

7
「聖将」と呼ばれた旧帝国陸軍の今村均大将。その評伝として十分な質と量の一冊だったと思います。単なる「人格者」ではなく、生来の短気さを意志でカバーし続けた努力の人だったことがよくわかりました。腐敗や無責任の蔓延した旧陸軍にあって、責任から逃げず思慮深く最善の道を選び続けた実績は、その努力の結果なのでしょう。強いて本書に注文をつけるなら、たとえば戦時中の『内村鑑三全集』を巡る野村胡堂との逸話など、「思想・宗教の探求者」であり続けた側面についても踏み込んでほしかったです。(取捨選択の結果でしょうけれど)2024/03/31

つわぶき

6
第十六軍司令官として蘭印(現インドネシア)の攻略とその後の軍政で有名な今村均について、彼の指揮統率を重点的に記した評伝。仁将としての事蹟は勿論であるが、それ以上に、絶え間ない自己反省(特に自らの短気に関する)及び部下との意志疎通を通じた企図の浸透と合意形成による指揮統率をもって、第五師団長時の南寧における危機的状況下での戦闘完遂、更にその経験(補給線を絶たれた状態での戦闘を経験している。)をラバウルにおける自活等に繋げる、成長し続けた人としての面が印象的であった。2023/08/11

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