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内容説明
本書は、長年高齢者医療に携わってきた著者が、最新の医学の知見や統計データを踏まえて「頭がいい人」と「悪い人」の健康法の違いを示し、ラクして長生きができる「頭がいい人」の健康法を4つの視点から提言する。痩せる、肉を控える、コレステロール値を下げる……、これらは日本人の健康常識となってきたが、こうした従来の健康常識は間違いだらけだと指摘。がんが死因トップの国にいる日本人には、小太りでいる、肉は食べる、コレステロール値は高めにする……などといったことが長生き健康法の1番目のコツだという。2番目のコツは、常に確率で考えるということ。高齢者は独り暮らしと同居のどちらがよいか、免許を返納したほうがよいか、がんの手術をすべきかなど、身近にある悩みの多くは確率が解決してくれるので、統計データを大いに活用して判断しようというもの。3番目のコツは、「足し算健康法」。歳をとると減らすこと、すなわち「引き算」の弊害が大きくなるため、塩分は控え過ぎずにむしろきちんと摂る、老化を防ぐために男性ホルモン治療を採り入れるなど、「足し算」の発想を心がけようというもの。4番目のコツは、「心の健康」を軽んじないということ。メンタルヘルスのためには、テキトーに過ごす、よく笑う、テレビをダラダラ見ないなどが肝心で、日々の生活習慣を意識的に変えていこうというもの。日本人にいちばん効く養生術の本である。医者頼みではなく、自分の健康は自分で守る時代の必読書!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まちゃ
59
幸せな老後に向けた情報収集。高齢者医療に長年携わってきた著者ならではの、医学的知見や統計データを踏まえた「頭がいい人」の健康法に関する提言。QOLを維持した老後を過ごすためには、医者の言うことを盲信するだけでなく、自分自身の価値観に応じたトレードオフの判断が大切だと思いました。そんなことを考えただけでもこの本を読んだ価値があったのかもしれません。2023/10/07
チャー
15
医師である著者が健康法についての考え方を綴った本。世の中には~が体によい等の端的なフレーズが溢れているが、それらの言葉よりも実際のデータを見て確率で考え判断することを勧めている。経済理論の背景から語られる文言が巷にあふれており、不用意に不安を煽っている場面も少なくない。感染する確率や交通事故にあう確率など、身近な現象に例え解説しておりわかりやすい。医師は体をもとに戻すことを目指すのであり、元気にするのではない、健康は検査データが適正値に入ることではなく幸せに生きられるということという言葉は印象的。2023/12/22
てつろう
7
頭がいい人とは確率で考える人のこと。とかく数字が独り歩きしていている現状での精神科医としての和田さんの主張が多く述べられている。コロナは怖いものに怯えすぎていて、安全策第一をとるあまり、老人が運動不足になったり、精神を病んでしまったことには目をつむる世の中に警告を鳴らしている。確かに一理ある!以前から数字でBMIでの主張がグラフから読み取れないが、同様に数字が独り歩きして、その数字のみが現場で指導されている。確かにおかしい。2024/02/20
シュウヘイ
3
健康に関するデータは常にアップデートしないといけない 常識は変化する可能性がある2023/10/30