内容説明
京都・祇園にある甘味処「もも吉庵」。女将のもも吉の人情の機微に通じた言葉は、悩みを抱えた人々の心の傷を癒していく――。店を訪れるのは、想いを寄せ合った末、永い春に決断を下す男と女。仕事の本質を一粒の金平糖に教えられる新入社員。娘からの結婚式の招待状への返事を逡巡する、ギャンブルで家庭を崩壊させた父親など……。花街に暮す者と、訪れる者の人生の交錯を、情趣豊かに描く連作短編集。文庫オリジナル。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
machi☺︎︎゛
90
もも吉お母さんのシリーズも7冊目。今回も色々な悩みを抱えた人たちがもも吉庵を訪れる。京都に行ったら度々買ってしまう緑寿庵清水の金平糖の話が出てきて嬉しかった。いろんな味があっていつも何種類かに絞るの苦労するけど金平糖1つ作るのにあんなに苦労する事だったとは、これからはもっと味わいながら食べようと思った。狭い花街で繰り広げられる人間ドラマが今回も良かった。2024/05/08
はにこ
61
もも吉のような見守ってくれる人が居るの良いね。奈々江も声が戻ってすっかり舞妓さんだね。後輩もできるのかな。何だかんだモテモテなぽっちゃりさんこと、あかね。今回は恋に進展するのかな。もも吉さんの結婚式での采配、見事だった。2023/12/27
よっしー
40
藤田さんが還俗して、その結果美都子の恋が動き出すのではと期待したのですが…そう上手くは行かず…。だからこそ、隠善さんに頑張ってほしいと思いますが…どこまで美都子が逃げるのかによって叶う日が変わってきそうですね。新聞記者の女の子の話がお気に入りです。「こんな仕事」ではなく、どんな仕事も誰かに必要とされる大切な仕事であるという認識は大切ですよね。自分の仕事の姿勢も見直そうと思いました。2024/02/06
よっち
33
京都・祇園にある甘味処「もも吉庵」。女将もも吉の人情の機微に通じた言葉が、悩みを抱えた人々の心の傷を癒していく第七弾。想いを寄せ合った末、永い春に決断を下す男と女。仕事の本質を一粒の金平糖に教えられる新入社員、舞妓になりたい娘と母の複雑な想い、娘からの結婚式の招待状への返事を逡巡するギャンブルで家庭を崩壊させた父親、機転が効く娘と喋るのが苦手な青年の出会い。今回は単純ではない人との縁だったり、どうすれば解決するのか、対応が難しい問題も多かったですけど、よくよく見極めてのアプローチが本当に上手かったですね。2023/07/06
assam2005
26
親が子を心配する気持ちは、形は違えど皆持っている。子が失敗するのをじっと横でただ見ているのは辛いと親は言う。「失敗するとか転ぶとか、それのどこがあかんのどす?」と、もも吉は言う。失敗が駄目なのではなく、その後立ち上がれないのが駄目なんじゃないか。だとしたら、立ち上がれるようにサポートすればいいだけのこと。成功だけの人生なんてあり得ない。分かっていたとしても、子が苦しむ姿を見るのが嫌で、助ける方法も分からず、ただ逃げてるだけなのか。「失敗=悪」じゃないと思えることが大事なのかもしれません。2023/08/13
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