ちくま新書<br> 日本のビールは世界一うまい! ――酒場で語れる麦酒の話

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ちくま新書
日本のビールは世界一うまい! ――酒場で語れる麦酒の話

  • 著者名:永井隆【著者】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 筑摩書房(2023/07発売)
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  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480075628

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内容説明

西のアサヒ、東のサッポロと言われた理由とは。キリンはなぜ独立を保てたのか。サントリーはどのようにビール市場に参入したのか。バブル期にドライはなぜ売れたのか。20世紀末の日本を席巻した「ドライ戦争」とは、どのようなものだったのか。そもそもラガーとエールの違いとは。麦芽の割合で何が変わる? 世界一うまいと絶賛される日本のビール。商品開発、市場開拓、価格など、熾烈な競争の背後にある発展史を一望して見えてきた秘訣とは。

目次

はじめに/第一章 日本「麦酒」事始め/ブルワリーの誕生/スプリングバレー・ブルワリー/グラバーがつないだ財閥の重鎮/キリンビールを販売へ/渋谷ビールと三ツ鱗ビール/東京で人気になった桜田ビールと浅田ビール/開拓使麦酒製造所のラガービール/「日本で現存する最古のビールブランド」/大阪麦酒/日本近代ビールの父/近代ビールの醸造技術/明治の四大ブランド/ビール税導入/帝国のビール会社「大日本麦酒」/吸収合併を拒否した麒麟麦酒/統制強化/第二章 大手四社の戦後/大日本麦酒の解体/統制から自由競争へ/三河屋のサブちゃんが運んだのはキリンラガー/キリンビール伸長の背景/アサヒとニッカ/鳥井と竹鶴/鳥井のビール事業/あのときの青年/極秘計画/「やってみなはれ」/銀行家がアサヒ社長に就任した事情/アサヒのリストラ/去るも地獄、残るも地獄/「社員が幸せになればいいんだよ」/復活への助走/第三章 独自の方向性で、各社に人気商品誕生/キリンに立ちふさがる独禁法の壁/ラガーの納入調整/定番の強み/強すぎる弊害/一騎当千のアサヒ営業マン/苦境が育てた人とチーム/サントリー営業、洋酒とビールの対応の差/六九年の生論争/目指すはシェア一〇%/サントリーにアサヒ売却?/阪神優勝!/若い愛飲者が求める軽快なビール/サントリー「モルツ」、キリン「ハートランド」/サッポロ「エーデルピルス」/サントリーのプレミアム路線/第四章 ビール市場の転換点/アサヒビールの樋口社長/コードネーム「FX」/ビール醸造の四工程/八七年の事業方針説明会/スーパードライが獲得した新規ユーザー/「スーパードライ」ブーム/スーパードライを指名買い/市場拡大をもたらした新商品/転換期のヒット商品/ドライ戦争/他社の混乱、アサヒの勝算/設備投資の成功/第五章 量を追う時代の終焉/キリンビールの大型新商品/「一番搾り」の舞台裏/シェアの算出方法を変更/シェアをめぐる場外乱闘/キリン、アサヒ、トップの交代/投資の失敗/酒類販売にも自由化の波/消費行動の変化と発泡酒「ホップス」/九四年の転換点/発泡酒の増税を目論む税務当局/サントリー「スーパーホップス」の秘策/キリンとアサヒの情報戦/ワゴンRで来社したアサヒ社長/天才マーケターの手腕/競合するビールと発泡酒/大手ビール会社の共闘/自民党の税制調査会/もぎ取った勝利/第六章 ビールのこれから/「単純明快なアサヒが、複雑怪奇なキリンに勝った」/値下げが招いた増税/新ジャンル(第三のビール)戦争と酒税/税制上は、新ジャンル(第三のビール)消滅/シュリンクする市場/多様化時代のビール文化/インディアンペールエール/ソラチエースの遅れてきた評価/クラフトビールの可能性/資料 ビールと発泡酒・新ジャンルの発売年表/参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

テト

22
何気なく食卓を賑わすビールに、こんなにも様々な歴史的な変遷があり、親たちが飲んでいたビールの銘柄にまで当時の世相が反映されていたことに、ノスタルジックを感じた。エールかラガーか、仕込み手法などでどんな味の違いがあったのか、試してみたくなった。一方、ビール会社の栄枯盛衰は激しく、研究や調査の輝きや、人情話もあり、そこに生きた人々の人間性がとても興味深かった。2023/09/21

ムカルナス

14
タイトルからしてビールの製造方法や味について書かれているのかと思ったが業界の歴史の話だった。とは言っても生ビールの誕生からスーパードライの登場によるドライ戦争、発泡酒、第三のビールと変遷していくなかでビールの製造方法や特徴についての説明はあるので勉強にもなり面白かった。タイトルはキャッチコピーみたいなもので世界一うまいという根拠はない。醸造技術は高いらしいが世界標準からするとガラパゴス化してるような気もする。2023/09/17

ケー

11
永井さんの本は多分何冊か読んでいると思うけれど、一番通史的な内容。戦前〜昭和中期くらいまでは教科書的な書き方だけれど、ご自身が実際に体験されているところから筆が乗っているというか、読んでてとても臨場感がある。巻末の商品一覧も資料として貴重。2023/12/04

くまくま

9
内容としてはキリン、アサヒ、サッポロ、サントリーの4大メーカーを中心とした日本のビール史ということで、自分は完全にタイトルに惹かれ、もっと一般的なビールの親しまれ方なども知れるものだと勘違いして買ってしまったのでやってしまった感を覚えてしまった。内容的には面白いので素直に「日本ビール史」あたりのタイトルにしてほしかった。2023/08/21

hirayama46

6
はじめての永井隆。タイトルから想像していたものとはちょっと違って、どのような理由で日本のビールが美味しいか、という話ではなく、日本の大手ビールメーカーの企業努力を書いたものになっています。興味のある話も散見されるのですが、「昔は良かった」的なものをいかにも美談として紹介している部分もあり、あまり楽しい読書とは言えませんでした。これで何らかの姿勢を学ぶのも考えものだと思うけれど、そういう価値観があってもいいのでしょうね。2023/11/07

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