集英社文庫<br> 教室に並んだ背表紙

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集英社文庫
教室に並んだ背表紙

  • 著者名:相沢沙呼【著】
  • 価格 ¥748(本体¥680)
  • 集英社(2023/07発売)
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  • ポイント 180pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087445374

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内容説明

図書委員のあおいは、苦手な同級生を図書室で見かけた。本に興味がないはずの彼女が、毎日来るのはなぜだろうと疑問を抱いて(その背に指を伸ばして)。将来に希望が持てない、図書委員の凜奈。ある日、本に挟まった古い手紙を見つける。そこには「未来のわたしは、夢を叶えることができていますか?」と書かれていて(しおりを滲ませて、めくる先)。中学校の図書室を舞台に、ままならない思春期の友人関係や未来への漠然とした不安、揺れる心模様を繊細に描く、全6編の連作短編集。

目次

その背に指を伸ばして
しおりを滲ませて、めくる先
やさしいわたしの綴りかた
花布の咲くころ
煌めきのしずくをかぶせる
教室に並んだ背表紙

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

芳樹

75
【単行本既読】それぞれ悩みを抱えた女子中学生たちに焦点を当てた、六編の小品からなる連作短編集。文庫で再読です。やはりサコモコ文学は心に沁みるな…。人の人生を一冊の本に例えるなら、教室に並んだ子供たちの背中はさながら本棚に並んだ”背表紙”のよう。だからこそ、手に取って文章に触れたとき共感してずっと読んでいたいと思うこともあるし、相容れなくて本棚に戻すこともある。改めて、美しく心に深く突き刺さる素敵な標題であるとしみじみ感じました。2023/06/20

ぼっちゃん

63
文庫で再読。中学校生活で生きづらさを感じている女の子たちが、物語に出会うことで少し前向きになっていく6つの連作短編。恋愛、部活、友情も出てこず、結末がはっきり描かれているわけではないが、学校生活に生きづらさを感じている人たちにお薦めの物語でした。勧められた本を探すシーンで『せ』のところではなく、『ち』のところは探した?というのが2回ほど出てきましたが、これは何を指しているのだろう??2023/06/25

エドワード

47
背表紙―何と魅力的な言葉だろう。本の背表紙の並ぶ本棚を眺める時は至福の時だ。しかし学校では本好きは陰キャと呼ばれる。読書は独りでするもの。仲間が多いことを良しとする学校では、読書を奨励する傍で読書を蔑むのだ。私の中学時代から全く変わらない。かくして本の好きな生徒はしばしばシカトされ、本にカバーをかけ、図書室へ逃避する。彼女たちを見守る、司書のしおり先生。読書の楽しみを色々な形で教えてくれる。本の成り立ち、装幀、紙の手触り、栞、花布。私は本というモノが好きなのだ。電子図書が普及発展しても、紙の本よ、永遠に。2023/08/19

よっち

40
中学校の図書室を舞台に、クラスや友人たちとの言動に馴染めない違和感や未来への不安、同級生に対する劣等感など、思春期の少女たちを繊細に描く連作短編集。図書室にやってくる苦手なクラスメイト、新たに赴任した学校司書と見つけた未来への手紙、ゴミ箱に捨てられた課題図書の感想文、変わってしまった友人への複雑な想い、自分を認めてくれた友人、ふとしたきっかけから教室に居場所がなくなる孤独など、教室の中に居場所を見つけられない主人公たちが見出すささやかな繋がりが優しくて、そんな繊細的な描写がとても著者さんらしい物語でした。2023/06/19

星野流人

38
教室にどことなく居場所のない中学生の女の子たちと、司書のしおり先生の交流を描く連作短編集。相沢沙呼さんなのでガッツリミステリなのかなと思い込んでいたのですが、どちらかというと思春期の悩める女の子たちの心にそっと寄り添う素敵な小説でした。生徒たちに寄り添うしおり先生の存在が素敵で、改めて本というものの素晴らしさも感じられたり。まだ何者でもない女の子たちの、些細だけれどでも切実な悩みを読んで、しおり先生や本とのふれあいを通じて立派に育っていけたらいいなと思ってしまいますね。2023/11/26

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