内容説明
今夜、ひとりでキッチンに立ちたくなる一冊。
第一話 カレーの混沌
旅先での出来事をきっかけに、人生の「迷子」になってしまった大学院生。
ひと皿:スパイスと「ある物」を使って作るカレー
第二話 完璧なパフェ
家事と仕事と子育てに追われ、自分の好きなものを忘れてしまった母親。
ひと皿:「彼女にとって」一点の曇りもなく完璧なマンゴーパフェ
第三話 肉を焼く
キャリアを地道に積み上げるも、周りとのライフステージの変化に思い悩む医師。
ひと皿:生きる力を取り戻すための肉
最終話 レスト・イン・ビーンズ
町田診療所の主、モネの過去が明らかに。いま、豆を愛したある人のことを偲ぶ。
ひと皿:持ち寄った、それぞれの大切な料理
「どうして私たちは、大切なことから真っ先に忘れるようにできているのだろう」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Karl Heintz Schneider
115
鬱蒼とした木々のある山の中にそれはある。町田診療所・くすりを一緒に作るキッチン。診療所と謳いながら、一歩足を踏み入れると中には大きなキッチンがある。主の町田モネに言われるまま料理を作る。そうするうちに訪れた人は自分を取り戻してゆく。「カレーに失敗はないんです。」この言葉がずっと残っている。どんな材料を入れてもカレーは受け止めてくれる。そもそも料理に失敗はない、恐らく人生にも。宇野碧さんは初読みの作家さん。初めて読む時はいつも少しだけ緊張するけれどサラッと読めた、面白かった。他の著作も読んでみたいと思う。2023/09/05
ネギっ子gen
108
【誰よりも私自身が、私を大切にしてこなかった】前作『レペゼン母』が良かったので――。森の中にある「町田診療所」。そこは、温かくて不思議なキッチンだった……。登場人物たちが、「食」を通じて本当の自分を取り戻していく姿が描かれた、滋養になる一冊。町田マネさんは語る。「ここが診療所なのは、台所は人を癒す場所だからです。でも間違えないでくださいよ。癒しっていうのは、お金を払えば受けられるサービスじゃないんです。覚悟が必要なことなんです。薬だって、人からもらえるもんじゃない。自分からつくらなきゃだめなんです」と。⇒2023/09/26
シナモン
103
最初の「カレーの混沌」のダイナミック過さにいまいちついて行けず、乗り切れないまま読了でした…。2023/08/18
ゆみねこ
83
宇野碧さん、初読み。人生の迷子になった大学院生は家にあるすべての食材を使って作る「カレー」。家事と子育てに追われ自分の好きなものを忘れてしまった母親が作る「完璧なパフェ」。「ジビエ料理」はライフステージの変化に悩む女性医師。町田診療所の主・モネの過去と、豆を愛した彼の姉・エミのお話。読みやすく、料理の持つ力が伝わる1冊。2024/05/31
tetsubun1000mg
77
筆者の宇野碧という名前が気になりながらも読み始める。 冒頭はひっそりとしたスタートだがキッチンの様子の描写など入り込みやすい。 途中で巻末の筆者略歴を見ると2022年に「レベゼン母」を書いて小説現代新人賞を取った方だと分かった。 悩める現代人に対して宮古島に行って思い出のマンゴーを探したり、肉好きな医者と狩猟に同行したりと破天荒ながらなんとなく気持ちの変化が出てくる様子が伝わってくる。 この本が2作目だそうだが読みやすく伝わりやすい文章になっていると思います。 最終章は読んでもすっきりしなくて少し残念。 2026/05/12
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