光の護衛

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光の護衛

  • 著者名:チョ・ヘジン【著】/金敬淑【訳】
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 彩流社(2023/06発売)
  • 冬の読書を楽しもう!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~1/13)
  • ポイント 600pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784779128691

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内容説明

疎外された者の絶望と孤独を優しく照らし、現代社会に問いかける小品集

私たちは生きるのに精一杯で、誰かの痛みに関心を持つことは難しい。でもその痛みはいつか自分に降りかかるかも知れない。困難な時代に痛みが弱者に集中せずに、分散して和らぎ健やかな社会へと向かうには、「他者」の痛みに寄り添う営みが必要だ。無関心は残酷さにも気付けないが、誰かに救われた記憶は、また誰かを救う。傷ついた記憶すべき人々を忘却から引き戻し共感へと引き寄せる、優しくも力強いこの短編たちが誰かの希望となり、強者に押し込められた孤独から、救う者と救われる者を護り照らす一筋の光になることだろう。

【目次】
光の護衛
翻訳のはじまり
モノとの別れ
東の伯の林
散策者の幸福
じゃあね、お姉ちゃん
時間の拒絶
ムンジュ
小さき者たちの歌

解説 彷徨う存在の記憶と光(文学評論家・韓基煜)
作家のことば
訳者あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイティ

28
「個人が直面する歴史的暴力の視座から描かれた9つの短編集」とのことだが、詩的な表現力と描写ゆえに、重厚な物語として純粋に胸というが息が詰まる。具体的なシチュエーションでも、個人にフォーカスされているためか、主観と客観が入り混じる不思議な感覚。韓国文学らしく、厳しくやや難解だが、一筋の光を感じる瞬間がある。続けて読んでいたらしんどくなったが、日にちをおくと不思議とすんなり入り込めた。それくらい、無意識にのしかかってくる何かがある作品だったのかもしれない。 2023/10/21

鈴木拓

24
愛の反対は無関心だと聞いた。大きな事件ばかりに目が行くか、そのことによって傷ついた一人一人にはほとんどの人が気づかない。いや、見ないふりをしているのだ。ここに収められた短編には、我々が意図的に無視することを決めて生きている人々の姿が描かれている。こうした視点を持つ著者の物語は素晴らしい。そして、物語の構成と合わせて心を揺さぶる表現力。翻訳も素晴らしいのだろうが、原文を理解することができたらその価値がよりわかるのかもしれない。著者の作品はもっと読んでみたいと思った。2023/07/31

星落秋風五丈原

19
静謐な印象の作品ですね。2023/05/11

遠い日

9
静かに紡がれていくことばの重みに時として耐えかねるほど、研ぎ澄まされた思惟を感じました。口ごもるような修辞が単純には理解しがたい表現世界を醸し出す。戦争や政治の影響を受ける人々の無念や苦悩、孤独と絶望にも果敢に斬り込む。そこには作者の、見過ごすことはできないという正義と共感への望みがある。久しぶりに没頭して読むという読書の醍醐味をいただいた一冊でした。2024/08/13

フランソワーズ

8
社会から弾き出され、孤独に沈む人々。政治や戦争といった、理不尽な大きな渦に飲み込まれた人々。そんな不遇の人たちの焦点を当てた短編集。ただ翻弄されるだけではない、彼らの人生の中に何かしらの「光」がある。その光は眩い希望のようであり、憐れむだけでなく、共に手を携えようと鼓舞する。お気に入りは『翻訳のはじまり』、『モノとの別れ』、『散策者の幸福』、『小さき者たちの歌』です。2023/11/15

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