内容説明
東京都知事選に立候補し、政見放送で「政府転覆」を呼びかけ、一躍注目を浴びた外山恒一が自伝的に綴る1980年代の「消された世代の歴史」。反管理教育の闘い、ウーマンリブからフェミニズムへ、80年代の音楽、昭和天皇の死など。
【目次】
Ⅰ 知られざる政治の季節
1 福岡刑務所の特別房にて
2 生まれた時にはすべてが終わっていた
3 一指導者の幼年時代
4 ポストモダン・ブームは知らない
5 知られざる「政治の季節」の始まり
6 1985年 ―― 政治の季節の顕在化
7 「青いムーブメント」
8 『ぼくの高校退学宣言』早送りダイジェスト
9 反原発運動の高揚と天皇Xデー
10 高校生運動の全国ネットワークを!
11 反管理教育運動の担い手となる
12 全国高校生会議
13 書くのがつらくなってくる
Ⅱ 「西」では何も起こらなかった?
14 獄中作品「青いムーブメント」
15 獄中での書き落とし、補遺
16 停滞期のDPクラブと街頭ライブ
17 世界規模の高揚
18 フェミニズムの時代、なんかじゃなかった
19 ブルーハーツとタイマーズ
20 鹿島拾市と馬の骨
21 89年の諸相
22 20年遅れの高校全共闘
23 赤い4月
24 「校門圧死事件」とDPクラブの「突出」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サイバーパンツ
10
80年代後半から90年代前半には、青生舎の保坂展人、ピースボートの辻元清美、等身大をストレートに歌ったブルーハーツ、『カバーズ』騒動からタイマーズへと展開した忌野清志郎、フライデー襲撃事件のたけし軍団、オウム真理教など、若い世代を中心とした「青いムーブメント」が存在したと外山は主張する。これらの動きに共通するのは、70年代後半から80年代前半の軽薄短小なスカの80年代への反発でホンモノを求めた点で、外山は遅れてきた80年代と言うが逆説的な形で本当のことを歌った小沢健二もその一人だろうと思う。2019/03/04
せい
1
どこまでギャグ?ホラ?と思わせて時々クスッとなる"信用できない語り手"による軽妙な語り口の80年代アングラ政治運動&文化史。スルスル読める。次は積読していた『全共闘以後』を読みます2020/04/29
yoyogi kazuo
1
面白かった。 外山恒一は一貫して80年代末から90年初頭にかけての若い世代による「ムーブメント」の存在を主張し続け、無視され続けているが、いつか歴史が書き直される日が来ると思う。2017/09/30
ishida
0
勢いがあり最後まで楽しく読んだ。語り口が軽妙で面白い。都知事選に出馬した時はただの目立ちたがりかと思ったが、謹んで訂正したい。2016/08/23
my_you
0
85年頃から始まるもう一つの政治。2014/09/16