内容説明
日本に入ってくるアフリカのニュースと言えば、「紛争」「飢餓」「貧困」のような話題ばかりですが、現在のアフリカにはそうした困難なイメージとは異なる光景も広がってきています。例えば、高層ビルが建ち並び、スマホアプリでタクシーを予約し、モバイルマネーが飛び交う様子もまた、実際のアフリカの姿です。現在は世界がそうした躍動するアフリカに注目し、最後の巨大市場をモノにしようと躍起になっています。もちろんいまだ困難が多いのも事実ですが、アフリカは30年前のイメージのままではありません。本書では、長らく外交官としてアフリカに関わってきた著者が、現場で実務に携わりながら実際に見て体験してきた、変わりつつあるアフリカの実情を明らかにしていきます。政治・経済・社会・文化などについて、アフリカの「今」を知る貴重な一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
32
長らく外交官としてアフリカに関わってきた著者が、現場で実務に携わりながら実際に見て体験してきた、変わりつつあるアフリカの実情を明らかにする一冊。「紛争」「飢餓」「貧困」のような困難が未だ多いのも事実だけれど、30年前のイメージのままではない、躍動する光景も広がってきていて、世界が注目し最後の巨大市場をモノにしようと躍起になっている今のアフリカ。その民主主義と選挙、自由貿易圏・通貨統合やデジタル転換の取り組み、奥深い諺や挨拶のインテリジェンス、日本との関わりなど、アフリカを見る目が変わる興味深い一冊でした。2023/07/17
kan
22
外交官としてアフリカ駐在の長い著者ならではの解説が身近な言葉で読みやすく、現代アフリカ入門書としてスラスラ読めた。歴史や政治や外交に加え、著者のエピソードを交えた日常生活や文化的規範の説明が興味深い。また、エチオピアとエリトリアの国境紛争がロシアとウクライナの代理戦争という一面や、ロシアによるアフリカへの傭兵派遣など、ロシアの存在感が大きいようで、これはワグネル関連の書籍で読んだ通りだ。アフリカでは中国の影響力が大きいと思っていたが、軍事面ではロシアのプレゼンスは揺るぎなく、旧宗主国の影は薄い。2023/09/08
リットン
7
すごい経験をしている方だなぁと感じた。アフリカで生活した、生活の驚きの本というよりは、外交官としてアフリカで働いた経験を、アフリカの歴史とあわせて書いていて、聡明な方なのだろうと思った。アフリカの方との仕事の中で、緊張して徹底して準備して、単刀直入に話しすぎて「まずはボンジュールだろう」と言われた話は、海外の人とでも、日本人同士でも、コミュニケーションとして大事な部分はそういう当たり前なところなんだろうなぁと改めて感じて印象深かった。2023/07/16
お抹茶
3
アフリカ経済やAU,TICADなどの外交,駐在経験が長いエチオピアについて語る。エリトリアとエチオピアの国境紛争や,エチオピアが帝政時代から現代まで,日本を近代化のモデルとして,日本人の勤勉さを必要としてきたことなど,知らないことが多い。アフリカ経済は欧米やアジアの経済力に完全に依存し,アフリカ内での資源の効果的活用ができていない。東部・中部アフリカや西部アフリカには共通通貨のCFAフランがあり,アフリカ統一通貨創設の構想はあるが,難航している。エチオピアには暦や月の数え方やエチオピア時間があるなど独特。2024/02/28
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