内容説明
◆『フランケンシュタイン』+『そして誰もいなくなった』……ホラー、ミステリの「優良物件」を名匠がどう料理するのか!?(山口雅也)
メキシコのバハ・カリフォルニア沖に浮かぶホースシューアイランド、この島に設立された国際低温工学研究所(ICI)の代表ローレンス・ホッブズ博士は、極秘裏にある実験計画を進めていた。長期間冷凍保存していた複数の体から外科手術によって脳や臓器を取り出して殻(シェル)となる体に移植し、人間を蘇らそうというのだ。
コンピュータやテクノロジーに関するあらゆる犯罪を捜査するコンピュータ検察局(CIB)は、ICIの活動に疑念を抱き、捜査員アール・ジャジーンをこの手術の記録撮影技師として島に送り込む。潜入捜査を開始したジャジーンだったが、やがて思わぬ事態に直面する。手術によって「彼」が心拍と脈拍を取り戻した翌朝、ICIの後援者エミリー・ワトソンが行方不明となり、その後何者かによって外部との連絡手段を絶たれたこの孤島で、手術のために集められた医師たちが一人、また一人と遺体となって発見される。
現代ミステリの旗手ホックが特異な舞台設定で描くSFミステリ〈コンピュータ検察局シリーズ〉最終作。本邦初訳。
装訂・シリーズロゴデザイン=坂野公一(welle design)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
だるま
22
『奇想天外の本棚』のラインナップが発表された時、最も読みたいと思ったのが本書。ホックが『そして誰もいなくなった』の設定を使い、更にフランケンシュタインを登場させるなんて、どんな作品になるのか想像もつかなかったから。本国では低評価だったそうで、それに憤慨した山口雅也氏が日本の読者に真価を問う意味もあって出版したとの事。で、読んでみた感想は複雑。閉ざされた孤島で1人1人殺されていくサスペンスに、犯人探しも組み込まれた構成だが、『そして誰も・・』には及ばないし色々な点で中途半端だった。ホックらしさ、感じられず。2023/06/15
タカラ~ム
13
『フランケンシュタイン+そして誰もいなくなった』という帯の惹句をみて手に取った。著者のエドワード・D・ホックは短編ミステリーの第一人者で長編は少ないらしい。その中の1冊がこの作品。移動連絡手段を絶たれた孤島の研究所で起きる不穏な人体実験と連続殺人事件。まさに「フランケンシュタイン」、まさに「そして誰もいなくなった」。連続殺人犯は島に集められた者たちの中にいるのか。それとも実験で蘇った“彼”の仕業なのか。“奇想天外”と評するにふさわしい作品2023/08/10
蝸牛
10
奇想天外の本棚8作目。 「フランケンシュタイン」+「そして誰もいなくなった」。かなりおいしい設定なのに、B級映画っぽいなんだか勿体ない感じのストーリーでした。 とはいえ、★1つではないかな、と。2023/06/09
chocoうさぎ
4
『フランケンシュタイン』+『そして誰もいなくなった』の様なホラーでミステリ作品。山口雅也氏製作総指揮の「奇想天外の本棚」シリーズの一作。50年くらい前に書かれた作品なのに古さは感じなかった。死体に別の脳と臓器を入れて新しい人間を作る実験をした医師たち。研究施設がある島で、一人一人と殺されて行く恐怖、人造人間の実験は成功したのか、犯人は誰なのか、犯行の動機は、と飽きさせない。ただ生き返った男が何を考え感じたかは語られず、実験の主催者の本当の思惑も不明と、もう少し詳しく知りたい。肩が凝らずに読め、面白く読了。2024/03/04
氷沼
4
エドワード・D・ホックが書いた「そして誰もいなくなった」「フランケンシュタイン」を掛け合わせたミステリ。 ...という紹介だったので、ホック好きとしては無条件で手に取った一冊。 つまらなくはないけど、ホックによる名短編の数々に惹かれた人間からすると、プロットもトリックもミスディレクションもいまいちで、物足りなさの残る作品だった。犯人の動機なんか「は?」となった。 解説によるとアマゾンUSAのレビューで☆1を頂戴したようで、それもまぁ分からなくもない。2023/11/04
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