不実在探偵の推理

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不実在探偵の推理

  • 著者名:井上悠宇【著】
  • 価格 ¥1,672(本体¥1,520)
  • 講談社(2023/06発売)
  • ポイント 15pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065314548

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内容説明

いつだって僕は彼女の助手だ。目には見えない、“名探偵”の彼女の。

マンション内で女性が毒死した。その手に藍の花を強く握りしめて。
殺人か、それとも自殺か。
立て続けに、彼女の恋人も自殺を図る。
途方に暮れた刑事の百鬼は、烏丸とともにある“名探偵”を頼りにいくーー。

Q.藍の花を握って恋人が死んだのを聞かされた男が自殺したのはなぜか

謎はすべて解けている。あとはその名探偵の推理を知るだけだ。
目に見えない彼女と会話をするには、サイコロをふる。出た目が1なら「はい」、2なら「いいえ」、3なら「わからない」。
質問を重ねて、真実に辿り着け。
新感覚の水平思考×ミステリー!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

144
真実か否かを教えてくれる「空想の友人」を通じて犯罪の真相を推理するとのアイデアは秀逸だが、描かれる事件がミステリとしてはイマイチ。不実在探偵が推理する意味が感じられず、不完全燃焼で終わってしまう。刑事の百鬼と烏丸、霊媒役のウツツ君もドラマで見たようなキャラで、個性的とは言い難い。いっそオカルト犯罪が普通の世界観で、不実在事件を解決する警察の秘密兵器ならよかった。3人ともそれ絡みの特殊能力の持ち主として、もっとエキセントリックな性格にすればと思える。素材はいいがスパイスと火加減を間違えた料理を食べた気分だ。2023/09/19

aquamarine

77
不実在探偵。菊理現にしか見えず、意思の疎通はダイスで行う女性。ダイスの目は、はい、いいえ、わからないなどを指し、彼女に質問することによって、現と二人の刑事は推理を重ね事件の真相を導き出す…つまりはウミガメのスープでお馴染みの水平思考ゲーム。とにかく設定が秀逸で読みやすいが、後半は彼らと一緒に目まぐるしく頭を回転させることになった。4章ラストから繋がるエピローグにも翻弄される。設定が面白かったので、この形で事件を解決するシリーズになったら楽しそう。途中で安楽椅子探偵に関して触れられているのも印象的だった。2023/08/11

yukaring

72
探偵はダイスで「ハイ」か「イイエ」か答えるだけ。相談者が水平思考を巡らして『不実在探偵の推理』を推理する斬新な探偵譚。まるでAIとの会話を彷彿させるような不思議な感覚で、思わず自分も手を上げてその質問タイムに参加したくなる。大学生の菊理現(くくる)にしか見えない白いワンピースの美しい女性。彼女は口をきかず1が「ハイ」2が「イイエ」とダイスを動かして会話をする。藍の花を握りしめて死んだ女性、宗教施設で殺される神など様々な事件を理路整然と解決する彼女と現。彼女の正体に届きそうで届かないラストが少しもどかしい。2023/09/25

えみ

64
アリスは存在しているのか、していないのか。動くダイスの絡繰り、不在でありながら誰よりも存在感があり、そして優秀な探偵であるという彼女の正体。事件の謎解きより謎が深い「実在証明」。一冊通して読んだが、未だに掴めないアリスの存在。相手の質問に、はい・いいえ・わからない・答えられない。という意志表示を賽の目を出して伝える。「そんなものはいない」幻想だったはずの彼女が見えてしまう菊理現。この世界を生み出しているのはアリスか現か。事件の解決に協力を求める刑事の存在が2人をより不確かにして不思議な世界観を味わえる。2023/09/06

さっちゃん

54
幼い頃から空飛ぶクラゲや馬人間など、他人には見えないものが見えていた菊理現(くくりうつつ)。成長と共に幻覚を見なくなったが、ある日突然ダイスと幼い頃に見たイマジナリーフレンドらしき女性が現れる。出目でハイ、イイエ、ワカラナイを伝えるダイスに質問を重ね、ウツツは刑事で伯父の百鬼と同僚刑事でミステリマニアの烏丸と共に事件の謎を解いていく。/ウミガメのスープのように水平思考で絞りこみ、答えに近付いていく過程が面白い。不実在探偵に関する謎はまだまだ多いし、続編期待してます! あと烏丸刑事のキャラが好き(^-^)2023/08/14

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