内容説明
アマテラスの弟スサノヲは、天上界では乱暴狼藉を働いて追放される悪玉だが、地上界では八岐大蛇(やまたのおろち)を退治して人々を助ける善玉になる。そのキャラクターは『古事記』と『日本書紀』とで大きく異なり、研究者の間でしばしば論争となってきた。ヤマト建国への関与、祭祀をめぐる天皇家との関係、縄文文化のシンボル……。豊富な知識と大胆な仮説で古代史の謎を追ってきた筆者が、スサノヲの正体に鋭く迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
はちこう
16
記紀に書かれているスサノヲは謎が多く、どのような人物だったのかよく分からなかったのですが、今回本書を読み、その人物像がかなりみえてきたように思います。以前、スサノヲが渡来人という文章を読み、そのように認識していたのですが、日本から半島に渡り再び日本に戻ってきた人物のようです(寺田惠子さんの「日本書紀」にもそう書かれていました)。また、私たちが知るスサノヲは、藤原不比等によって改竄されている可能性がありそうです。姉妹本的な「アマテラスの正体」も読んでみようと思います。2026/07/07
bapaksejahtera
15
著者は歴史学会からの評価が低かろう。日本歴史学は戦前の皇国史観への嫌悪感から禁忌が多い。また考古学との齟齬も目立つ(稲作導入史が好例)。殊に風土記や各地の伝説に頻出する神功皇后譚には感情的な迄反発を露わにする点、古代史は信用が置けない。本書は書紀では悪役を充てられるスサノヲが古事記では善悪に振れる特異な描写がなされる事を、書紀の政治的性格による物とする。天皇家の直接の祖先神は天照でなくスサノヲ。彼は天照との誓約(ウケイ)で五柱の男子を生すが、それを無性生殖と喝破。父の伊弉諾が折角鶺鴒からやり方を学んだのに2026/06/03
まさにい
14
池澤夏樹さんの古事記を読んで、スサノヲと大国主の両方に興味をもった。そこで、この本が目に入り購入。スサノヲはヤマタノオロチを成敗した。このヤマタノオロチ、多分鉄を作る民族だったと思う。鉄を作るためには木を伐採しなければならず、ひと山丸裸になる、そこで、山が荒れ農耕民族が困るので成敗したという比喩。大国主は国譲りの神、大は地方豪族一般をさすのだろう。つまり、大国主は1人ではない。有力地方豪族を国津神とし、天皇家を天津神としている。ぼくはどうもスサノヲと大国主が同じとおもっているが、どうなのだろうか。2024/03/20
fseigojp
9
アマテラスとスサノオは同一で大物主? 大物主って国津神では? なんか????2023/08/12
TK39
8
最近、出雲神話に興味があり、手にとる。どこまでが考古学的に証明され、どこが筆者の推論なのかはよくわからない。しかし、伊勢神宮は明治になるまで歴代天皇は参拝したことはないらしいが、その理由は何か?伊勢神宮、出雲大社、熊野の関係など古代史の勢力争いに関係しているなど興味深いポイントを出してくれている。2024/10/06




