内容説明
公園でナウマンゾウと散歩、潜水艇でアンモナイト見物。日本は古生物天国(パラダイス)だ!
今は化石でしか見ることのできない古生物が、もしも現代の日本に蘇ったとしたら、どこでどのように暮らしているだろうか? ナウマンゾウやカムイサウルスが街を闊歩し、翼竜が空を飛ぶ、そんな「もしもの世界」を旅してみよう。架空の旅のガイドブックを通して、北の古生物天国・北海道から、おなじみ恐竜王国・福井、さらには関東、中部、近畿まで、化石の発見が相次ぐ古生物天国・ニッポンの魅力を味わい尽くす。想像力をかき立て、早速本書を携えて古生物と“触れ合う”旅に出たくなる一冊。
(本書に登場する古生物の例)
野球場にケナガマンモスとナウマンゾウ
スピノサウルスが祭り会場に乱入
増水した川にクビナガリュウ
漁港に出現・モササウルス類
古寺の境内で肉食恐竜に遭遇
潮干狩りでトウキョウホタテ
カムイサウルスと記念撮影
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
42
な~んの前知識もなく読み始めたらマザー牧場でムカシマンモスに会えるなどといった文章が始まり、キョトン。キツネにつままれたようとはこのことです。慣れてしまえばああ、リアルサイズ古生物図鑑シリーズの文章版、といったところかな…とワクワク。千葉に長く住んでいた身には楽しい一部、「会えなくても責任は取りません」という終わりまで、グーグル検索しながら脳内散歩を楽しみました。私みたいな脳には第二部の方が楽しめましたが、圧倒的にイラストが足りなくて残念。でも大丈夫、検索しながら読みました。北海道に行きたい…!2023/10/24
チャーリブ
39
地質時代に生存していて現在は化石でしか存在が確認されない生物を「古生物」と呼ぶそうです。その古生物が、時空間の歪みによって現在の世界に生きて出現したら…、という空想ガイド。ただ、出現するのはその化石が見つかった場所に限られるという規則性があります。たとえば、成田空港をのしのしと歩くナウマンゾウ、銚子沖に生息するアンモナイト、札幌のボールパークFビレッジを闊歩するケナガマンモスなど。「こちらがわの世界」の博物館情報も載っているので、現実の古生物たちに会いに行くもよしという構成になっています。2023/11/13
Tomomi Yazaki
20
本書は、もしも太古の生き物が現代に現れたらどうなっちゃうの?というワクワクドキドキする空想科学ガイドです。出現場所は原則、化石が見つかったところ。種類は問わず、恐竜、マンモスから魚介類、昆虫に至るまで現代に現れて、その生態や形態から食性、行動まで、著者の想像力の限界を超えて楽しく綴っている。その中でもユニークな頭のナウマンゾウはとても興味深い。象と書いて、その訓読みは「きさ」。これは昔の日本人が実際に象を日常的に見ていたからとも言われている。そんなロマンに思いを馳せながら、最後のページを閉じました。2023/07/04
Cinita
11
audibleにて。超面白かった! 「太古の生物が出現するようになった現代日本」で各地の博物館や古生物と出会えるスポットを紹介するガイドブック……という体裁の古生物入門書。古生物たちを観光資源とし受け入れ穏やかに共存する世界が、ディティールと臨場感たっぷりに描かれ、SF心を大いに刺激されました。紹介される古生物たちの生態もかわいらしくて魅力的。後半はこの世界観を構築するに当たって参考にした研究や知見、補足情報などがみっちりで、親しみやすさと知識が共存する良書でした。まずは千葉中央博物館、行ってみようかな!2023/09/09
センケイ (線形)
8
読み方には工夫が必要で、ファンタジーというより図鑑のような読み方をしたほうが良いところがあるが、国内で出土した古生物を主に扱っているところに身近さや親近感があって良かった。巻き貝の多様さや、始祖鳥がもうちょっと鳥になった事例などはなかなか非自明なもので、国内の化石ならではのものがある。2023/09/30