内容説明
第I巻では現代の言語哲学の始祖とされるフレーゲとラッセルについて、その仕事が登場した文脈を示し、それがなぜ重要なのかを積極的に評価して位置づける。本文はほぼ初版そのままとし、註にて文献を多数アップデートするほか、1987年の初版以降現在までの研究の進展を踏まえた書き下ろしの論考を収録。哲学の変遷と展望を示す。
目次
増補改訂版へのまえがき
第一版へのまえがき
序 論
第1章 フレーゲと量化理論
1・1 ひとつの問題
1・2 文の論理形式
1・3 フレーゲは言語哲学者か?
1・4 ArgumentとFunction
1・5 文法的カテゴリー
第2章 フレーゲ的意味論の基礎
2・1 意味と像
2・2 文脈原理と合成原理
2・3 意義SinnとイミBedeutung
2・4 陰影と力
2・5 フレーゲ的意味論の構造
第3章 ラッセルと記述の理論
3・1 前史:『数学の原理』の意味論
3・2 革命:「表示について」(一九〇五)
3・3 余波:論理的固有名を求めて
3・4 残響:単称命題の意味論
文献案内
補 註
後記 二〇二二年
1 分析哲学史の中のフレーゲとラッセル
2 言語哲学の「自然化」
3 言語論的転回の終わり
4 言語論的転回の世紀の後で
5 日本語と言語哲学
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
buuupuuu
21
フレーゲは文の真理値を中心に考え、文の意味理解を真理条件の理解として捉えた。ラッセルは言葉の意味を、言葉に対応する存在者と考えた。そして言葉の意味の理解を、そのような存在者を見知っていることに求めている。フレーゲの「思想」は真理条件であるが、ラッセルの「命題」は語られている対象である。元々は40年近く前の本だから、時代を感じる部分もある。2022年の後記でも触れられているように、今では言語哲学が第一哲学だと考える人は少ないだろうし、そもそも第一哲学なるもの自体が疑わしいと考えられているのではないか。2024/02/27
古脇
1
しばしば難解だが、それは元のフレーゲの難解さに由来する。記号論理に帰着されてからは極めて平易。2022/11/06
有智 麻耶
1
フレーゲによる意味の理論と、ラッセルによる記述の理論を概説したもの。論文「意義と意味について」や「表示について」を読むとき、つねに参照したい。ただし、最初の一冊としては、やや難解ではある。2022/12/04
ねぎ
0
Ⅱ巻の論理実証主義からクワインまでの流れが気になり、半ば義務感で読んではみたが…2026/04/25
飲酒男性本を読む
0
正直、フレーゲもラッセルも鼻につく感じがして興味が持てなかったが、最後の最後に筆者がその点をはっきり指摘していた(二人とも"社会"を無視している)ので、続きも読もうかと思う。散々理論こねくり回していて、「ソクラテス」を我々は直に見たわけではないので本当の固有名詞ではない、本来的な固有名詞は「これ」だ、という結論になるの、ズッコケそうになった。とはいえ再読しなきゃいかんかな…2025/02/05
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