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内容説明
読書会、勉強会、NPO、趣味の集い……あなたのコミュニティは大丈夫?
一人ひとりは心優しい人間だとしても、全てのメンバーが互いをよく知っている小規模で親密な集いには、親密でよく通じ合っているが故に発生してしまう「毒」がある。
その集いは人々の間のミクロな違い、その隙間に巣くうコミュニケーションによって「有害な小集団」と化し、わたしたちを日々毒す。
本書はロシアに由来する小集団「サークル」を、小林多喜二からサークルクラッシャーまであらゆる切り口で再考し、開かれのなかの閉ざされ、閉ざされのなかの開かれという逆説を原理的に問いながら、集団性の解毒法を提示する。
◆目次◆
第一章 男女の数は同数に?
第二章 男たちの解毒史
第三章 政治と文学とサークル――人文主義の暗がり(1)
第四章 『サークル村』の周辺――人文主義の暗がり(2)
第五章 鶴見俊輔のサークルイズム
第六章 閉ざされること、開かれること
第七章 プラグマティズムと共同体の問題
第八章 現代の種の論理
終 章 楕円のほうへ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いちろく
23
以前からタイトルで気になっていた一冊。姫野カオルコ著『彼女は頭が悪いから』からの導入もあり、中高の部活、大学や社会人サークルについての実態に沿った内容を期待していたら違った。サークルという集団について触れる概念的な内容が中心だった。折を見て読み進めたので読了まで時間が掛かったが、現場との距離感を覚えつつも題材として面白い部分もあった。ただ、このタイトルならば机上の空論にならない為にも、著者による参与観察や、実例を踏まえた論証のページがもっと欲しかったのが本音。期待していたほど、帯の印象は私には無かった。2024/07/18
佐倉
14
後書きによるとすばるに掲載した論文「鶴見俊輔とサークルの思想」に加筆を加えたものということ。最初の方に『彼女は頭が悪いから』を軸に東大誕生日研究会事件やサークラなど現代的なサークルの諸事件に言及した後の半分以上は戦前の共産党のサークルの活動、社会学や哲学思想におけるサークル(というか組織論)にページが割かれている。元の論文が扱うテーマが難解なのと、過去になされた組織論と現代の学生・市井のサークル活動を接続するような論が充実しているとは言い難いのでタイトルや帯から期待される方向性とはギャップかある。2023/07/15
江津 有倣
13
人間が集まって何かを為す集団には毒が発生するという前提のもと、その解毒法を探っていく書籍。序盤は『彼女は頭が悪いから』の評論を中心に、中盤以降は思想家、鶴見俊輔のサークル論を中心に考察を深めている。文献読解が主体で、実践知がほぼゼロであるため、「すぐに」役立つ情報は無いように思える。しかし、集団への考え方の新たな視点を知ることができるため、どこかで役立つことがあるかもしれない。オススメ度:星なし2023/06/30
ミヤト
12
前半ではサークルの問題点について述べてあり、中盤あたりから別物になっていく。さらっと読んでしまったので、あまり頭には入らず。入り口は身近だが、中身はやや難解。2023/07/13
ケー
10
タイトルや帯から受けるイメージとはちょっと読み応えが違ってサークルの社会史、日本思想史とも言える雰囲気。 このテーマで歴史を描いた本って他にはないんじゃないだろうか。2023/06/23
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