内容説明
「人間」と「機械」を区別できなくなる?
子供(教育)から大人(ビジネス)まで、我々の日常生活を根底から変えるテクノロジーの「すごさ」と「危険性」を知るための必読書。
はじめに──「人間」と「機械」が見分けられなくなる
1 愛を告白する
2 チャットGPTとは何か?
3 学校が戸惑う
4 「もっともらしいデタラメ」が広がる
5 メディアがAIに頼る
6 6割が見分けられない
7 AIがメディアを評価する
8 「犯罪者」を捏造する
9 備えるべき5大リスク
10 「悪の凡庸さ」と「知性」
11 「頭脳」をつくるデータの正体
12 AIは「意識」を持つのか
13 日本と世界、社会とAI
終章 100年後からの視線
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
131
情報処理能力において、人はAIにはかなわない。しかし大量の情報を分析して得た結論が常に正しいと限らないのは、人にあってAIにない哲学や理論、良心や悪意、信仰や感情といった人としてのバイアスがないからだ。チャットGPTが非常識だったり虚実入り交じった回答を出すのは、アトムやドラえもんのレベルには遠く達していない現状では当然だろう。危険だから開発に制限を加えるべきか、よりよいシンギュラリティのため促進すべきかで人類は岐路にある。ようやく各国も対応に動き出したが、最先端技術の進歩を政治が制御できるのか疑わしい。2023/11/12
nbhd
15
「vs人類」と題されているように、ぼくが読んできたChatGPT関連書のなかでは、群を抜いて「生成AIの進化に警鐘を鳴らす」モードの本だった。警鐘を鳴らしすぎていて、ちょっと引いた。問題なのは文章が読みにくいことだ。本の内容は、海外記事を過剰に並べているだけのようで、だんだんとカタカナや数字が踊っているように見えてくる。何なら、ChatGPTのほうが、よりわかりやすく、よりスマートに項目立てて、自分のネガティブな影響について解説してくれそうだ、とも思えてくる。ってなわけで、この本に関しては、人類の負け。2024/01/11
p31xxx
15
生成AIが生み出す幻覚(hallucination、ある学者はconfabulation:「誤魔化す意図なしに虚偽の記憶を生成」の語に置き換えるべきというが)との距離感が肝要だと思った。GPT-4でも解決していないという論文の抜粋、法、道徳、投資判断など間違うとまずいところでデタラメを言うのは、確かにまずいと思った。/本書を読むのと前後してBingアプリを入れて、自転車のトレーニングについての提案を受けてみたりして、あくまでもこのAIはCopilot副操縦士だという意味合いがふんわり伝わった気がした。2023/07/11
ikedama99
9
2年前の本だから、この進歩の早い生成AIがらみではずれもあるとは思う。ただ、怖がるだけではなく、より注意深く対応することの大切さを考えた。最後にあるが、「クオリティの高い答えを得るには、クオリティの高い問いが必要である」と。これは、最近時々使用する生成AIで、特に感じることである。問いを立てるには、そのバックグランドの広さや深さが必要となると思うし、その出てきたものの生かし方にも活用できると思う。これからの長い付き合いとなるだろう生成AI、うまく生かしたいものと思う。2025/10/27
にしやん
9
2023年1月から5月までの筆者のブログ「新聞紙学的」、Yahoo!ニュース「ジャーナリスト平和博の新聞紙学的(改)」、AERA dotへの寄稿に加筆してまとめたとのことで、古い感はあるもののAIの怖さがまとまっている。他のソースからの引用が多く筆者の考えがあまりなく「vs. 人類」まで深掘りしてはいない。AIで生成された情報がAIで生成される情報のもとになるというループに陥ると、まさにぼやけたJPEGとなり人間が生成AIに依存し過ぎる危険性はわかる。AIが人間の脳を超えたときの考察も欲しかった。2025/06/09




