筑摩選書<br> 風土のなかの神々 ――神話から歴史の時空を行く

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筑摩選書
風土のなかの神々 ――神話から歴史の時空を行く

  • 著者名:桑子敏雄【著者】
  • 価格 ¥1,705(本体¥1,550)
  • 筑摩書房(2023/06発売)
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  • ISBN:9784480017765

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内容説明

日本の神々とは日本人にとってどのような存在だったのか。神々は日本の風土のなかでどのような役割を担っているのか。日本の神は、自然を畏敬し国土の安寧を願う出雲系と、天皇による国家支配を正当化する高千穂・日向系に分かれる。高千穂・日向・出雲で景観問題の解決に奔走した著者が神話の舞台を歩き、「古事記」「日本書紀」編纂の場である飛鳥の遺跡に身を置いて、神々の来歴にひそむ謎を解く。【目次】序章 女神はなぜ洞窟に隠れたか――高千穂神話の世界から/第I部 出雲の神々の世界へ/第一章 スサノオの国づくりと和歌の起源――出雲平野の「わが心すがすがし」/第二章 斐伊川水系大治水計画――昭和・平成のオロチ退治/第三章 天下経営の大神――出雲大社表参道神門通りの道づくり/第四章 水に臨む神々――城原川流域委員会/第五章 疫病神の活躍――鞆の浦まちづくり/第II部 風土に生きる神々/第六章 巨大ナマズと戦う神々――要石とプレートテクトニクス/第七章 「ふるさと見分け」の方法――姥ヶ懐・裂田溝の危機/第八章 白き山の姫神――在地神と外来神/第九章 座問答――古代の大合併と合意形成の知恵/第十章 神々誕生の海岸――宮崎海岸侵食対策事業/第III部 神話から歴史への旅/第十一章 飛鳥にて――『古事記』『日本書紀』編纂スタートの地/第十二章 神話と歴史をめぐる三つの疑問/第十三章 飛鳥浄御原宮――神話と歴史を編む/第十四章 前例としての日本神話/第十五章 古代からの伝言――危機の時代のリスクマネジメント

目次

まえがき/序章 女神はなぜ洞窟に隠れたか──高千穂神話の世界から/神代川のほとりに立つ/「神代川かわまちづくり計画」/神代川河川整備起工式祝詞/高千穂神楽/姉神と弟神はどうして対立したか/第I部 出雲の神々の世界へ/第一章 スサノオの国づくりと和歌の起源──出雲平野の「我が心すがすがし」/荒神谷遺跡/古代斐伊川の風景と和歌の起源/出雲神楽/天叢雲剣/第二章 斐伊川水系大治水計画──昭和・平成のオロチ退治/世紀の大治水事業と紛争解決の仕事/神々の風土を旅する/「大橋川周辺まちづくり基本方針」/第三章 天下経営の大神──出雲大社表参道神門通りの道づくり/「祈りの道、そして出会いの道」/オオクニヌシの名前/オオクニヌシとはどんな神か/第四章 水に臨む神々──城原川流域委員会/スサノオゆかりの湖・川・海/城原川流域委員会/景行天皇とその皇子、ヤマトタケルはスサノオを祀った/第五章 疫病神の活躍──鞆の浦まちづくり/鞆の浦の景観論争/蘇民将来伝説/牛頭天王と祇園祭/伊勢のスサノオ/第II部 風土に生きる神々/第六章 巨大ナマズと戦う神々──要石とプレートテクトニクス/鹿島神宮と香取神宮/要石/大ナマズとの戦い/科学と神話/鹿島・香取から春日へ/第七章 「ふるさと見分け」の方法──姥ヶ懐・裂田溝の危機/豊前の海の聖地・姥ヶ懐危うし/日本最古の農業用水路・裂田溝を守れ/第八章 白き山の姫神──在地神と外来神/白山比咩大神/多様な神々の来歴/神々の区分/第九章 座問答──古代の大合併と合意形成の知恵/相模国の国府祭と古代の中央集権化政策/相模国の六社/新緑のなかの座問答/第十章 神々誕生の海岸──宮崎海岸侵食対策事業/日向国の海岸の危機/つぎつぎに生まれ出る神々/高千穂神話から日向神話へ/神々の系譜から天皇の皇統へ/第Ⅲ部 神話から歴史への旅/第十一章 飛鳥にて──『古事記』『日本書紀』編纂スタートの地/大和川流域/曽我川/飛鳥豊浦宮/甘樫丘に立つ/第十二章 神話と歴史をめぐる三つの疑問/なぜ天皇は出雲神を祀ったか/なぜ天皇は祟られたか/なぜ暴虐な天皇が記録されたか/『古事記』と『日本書紀』/第十三章 飛鳥浄御原宮──神話と歴史を編む/女帝の時代/乙巳の変の現場に立つ/吉野の盟約と歴史編纂の詔勅/天武天皇から持統天皇へ/黒作懸佩刀/第十四章 前例としての日本神話/平城京の通勤路/高天原の誓約と「不改常典」/なぜ草薙剣は天武天皇に祟ったか/第十五章 古代からの伝言──危機の時代のリスクマネジメント/出雲の神々はなぜ生き残ったか/祟りのもつ意味/権力と権威の不即不離/危機にそなえて/あとがき/系図/年表/参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tamami

57
以前から自然と人工が織りなす景観、その中に読み解かれる歴史や民俗というようなことに興味があり、著者の著作にも幾つか触れてきた。帯にあるように、「神はなぜそこにいるのか」というテーマのもと、『古事記』や『日本書紀』に書かれた神話から古代日本の姿をなぞろうとする。景観を考えていく著者の意図はよく解り、添えられたエピソードの解釈も面白い。ただ、「古事記」と「日本書紀」の記述を一体のものとして一筋の歴史を語ることにはかなり無理があるのではないか。この辺りしばらく前に読んだ、関裕二『スサノヲの正体』からの発想が影響2023/07/23

わ!

4
日本各地の土地開発問題などに絡んで発生する問題を数多く手がけてきた、神社(神話?)マニアの著者が書いた、神社と神話に関するエッセイとなっている。大きく2種類の話となっており、ひとつは著者が関連した、土地開発問題と、現地にあった神社から、土地の特性や、神社設置の意味を読み取るような話。この種類の話は、著者独特のの話だったので、とても興味深かった。もう一方の話は、「古事記」「日本書紀」が編まれた時代の政局と、神話とを対比させて、類似点などを著者なりの見解でまとめ上げた話で、とても良く整理されていて面白かった。2024/01/12

Junko Yamamoto

2
文献から風景を見るのではなく、風景から文献をみると、、、古事記がイカガワしい書に思えるようになる。2023/12/10

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